忍者ブログ

高校教育に関わるいろんな情報交換を行っていきましょう。
03 2026/04 1 2 3 45 6 7 8 9 10 1112 13 14 15 16 17 1819 20 21 22 23 24 2526 27 28 29 30 05
RECENT ENTRY RECENT COMMENT
[04/07 あおと]
[03/23 竹浩一]
[03/13 aoto]
[03/13 aoto]
[03/08 名無し]
[03/07 名無し]
[01/27 NONAME]
[01/26 NONAME]
[01/20 NONAME]
[01/07 NONAME]
[01/07 NONAME]
[01/05 NONAME]
[01/05 NONAME]
[01/02 NONAME]
[09/25 匿名希望]
[07/08 保護者]
[03/15 気を揉む母]
[04/17 パパ]
[04/10 あ]
[04/04 あ]
[03/05 受験生の親]
[03/03 NONAME]
[01/24 あ]
[01/21 あ]
[12/22 チェスター]

10.06.21:03

川内高校の進学指導実績

川内高校の大学合格実績について掲載します。

川内高校の卒業生のクラス編成は、昭和51年~53年の11クラスをピークとして増減を繰り返して、現在8クラスとなっています。

H10年3月卒業生は、前年の9クラスから1クラス増の10クラスとなり、これに伴い国公立大学の合格者数も120人台から150人台に増加した後、140人台に減少しています。

H16年3月卒業生は、1クラス減の9クラスとなったものの、国公立大学の合格者数は166人(3月時点)と増加しており、そのうち浪人生が22人と多くなっています。
学力向上推進総合プランが実施される直前のH17年3月卒業生は、128人(3月時点)と大幅に減少し、現役合格率は35%程度までに落ち込んでいます。

学力向上推進総合プラン1年目の18年3月生は、前年と同程度の合格者数129人で現役合格率も36%と低迷しているようにみえますが、東大、九大をはじめ6旧帝大を受験するなどチャレンジ精神が出た年で九大に現役で10人合格するなど学校側は評価しています。

プラン2年目の19年3月生は、1クラス減少したものの近年最多の169人となり、現役合格率も49.5%まで達し、東大に浪人生が合格し、東北大に現役で2人合格するなど質的な向上も図られています。また、浪人生も前年の6人から2倍の12人に増加しており、チャレンジ精神が継続しているものと想定されます。

平成20年、平成21年の合格者数は、減少傾向にあるように見えますが、学力向上対策実施の直前の現役合格率等と比較すると以前として高い水準を確保しています。

平成22年度は、近年では最高の170人が国公立大学に合格し、鹿児島大学の合格者数が伸びています。
卒業生数に対する国公立大学現役合格者の割合は、49.5%に達しています。

平成23年度は、国公立大学合格実績は141人に減少しています。

このほか、クラスが減少した年が合格者数が増加する傾向もあり、このことは定員減に伴い学力の質の均衡が図られるとともに、前年の浪人生の割合が高くなることなども影響している可能性もあります。


川内高校国公立大学合格実績 平成16年、17年は3月下旬時点

年卒 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23
クラス数 9 9 9 10 10 10 10 10 10 9 9 9 8 8 8 8 8
合格者数 129 128 121 155 152 150 144 144 146 ※166 ※128 129 169 154 141 170 141


川内高校の国公立大学合格実績   (  )は過年度卒業生 ※は各年度3月下旬時点(最終結果ではない)
卒業年 H16年 H17年 H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 H22年
卒業生数 343 344 342 317 314 295 303 295
国立大学                
鹿児島大 67(12) 47(3) 34(1) 41(4) 49(3) 35(5) 60(10) 61(7) 
九州大 5(1) 5 10 6(1) 5(1) 4 5 5(1) 
広島大 9(1) 3 3 3 6(2) 2 5 5(1) 
熊本大 9 8 8 11(2) 16(1) 13(3) 15(2)
宮崎大 10 20 10(1) 17(1) 8 4 13(2) 6(1) 
京都大 1 1
大阪大 2(1) 1 1(1)
東北大 2 1 - 
一橋大 1(1)
  東京大 1(1) - 
  その他       41(2) 24(2) 30(3) 34(3) 30(7)
小計       122(11) 110(10) 90(12) 133(17) 116(17)
                 
公立大学                
都留文科大 2 1 2 4(1)
下関市立大 2 3 2 5 2 8 5
北九州市立大 5(1) 4(1) 3(1) 2 3 4 4  5(1)
長崎県立大 9(1) 1 5(1) 5 3 6 4
熊本県立大 1 2(1) 2 3 4 4
  その他       17 21(2) 17 20(3) 12(1) 
小計       35(1) 32(2) 39 37(3) 25(2)
その他 48(6) 35(2) 50(1)          
                 
合計 166(22) ※128(7) 129(6) 169(12) 154(12) 141(12) 170(20) 141(19)
卒業生数に対する
国公立大学合格者
(現役)の割合
※35.6% ※ 33.1% 34.2% 45.7% 41.4% 39.7% 49.5% 41.4%
卒業生数に対する
国公立大学合格者
(現役・浪人含む)
の割合
※42.0% ※ 35.2% 36.0% 49.5% 45.2% 43.7% 56.1% 47.8%
対策実施     県立高校学力向上
推進総合プラン
県立高校学力向上
推進プロジェクト

PR

10.05.21:53

加世田高校の進学指導実績

今回は、進学指導推進校13校のうち、指宿高校に次いで加世田高校の大学合格実績から学力向上推進総合プラン等の効果について分析してみます。

加世田高校は、少なくとも平成12年度以降は5クラス(定員200人)で推移していますが、毎年定員割れが生じており、二次募集を行っているものの最近は二次志願者はおらず、平成19年度170人、平成20年度199人、平成21年度191人、平成22年度184、平成23年度150人の入学者となっています。

平成22年度の高校入試では、1次試験で185人、2次試験で1人が合格し、全体で186人が合格していますが、2人少ない入学者数となっており、この2人は父兄転勤による転校、入学辞退と考えられます。

平成23年度の高校入試では、1次試験で152人が合格し、2人少ない150人が入学しており、2人が入学辞退しています。

加世田高校は、平成23年度に指宿学区と川辺学区が合区した南薩学区に属し、当該学区には普通科は指宿高校、頴娃高校、川辺高校、普通科以外では指宿商業、山川高校、枕崎高校、鹿児島水産高校、加世田常潤高校、薩南工業高校があります。

平成21年度は川辺学区内定員960人に対して川辺高校を除いて定員割れが生じており、101人定員割れとなっています。
また、平成22年度は、川辺学区内定員920人に対して全高校とも定員割れが生じ、1次募集で合計で134人の定員割れが生じ、2次募集で5人が合格しています。

平成23年度は、南薩学区に合区され、定員1440人に対して全校とも定員割れが生じ、1次募集で合計314人の定員割れが生じ、2次募集で10人合格しています。

また、同学区内の私立高校には鳳凰高校があり、平成21年度は定員370人に対して高校1年生は348人で、普通科は文理コース定員30人に対して42人、普通科特進コースⅠ類・Ⅱ類定員50名に対してⅠ類27人、Ⅱ類26人の合計定員80人対して95人が入学し、平成21年度は鹿児島大学をはじめ13の国公立大学に合格しています。

鳳凰高校の文理コースの特待生は、特待Aの場合修学旅行積立分4500円を除く月納金50150円に対して49500円が免除され、生徒指導費300円とPTA会費350円の650円のみ、特待Bはこの650円に進路指導費5000円と実習費2000円を含む7650円となっています。

また、予備校のサテライト授業を受けることも可能なようで、設備が整っているようです。

したがって、普通科をみると、加世田高校は鳳凰高校に普通科志望の学生を取られているようにも見えます。

さて、大学合格実績は下の表のとおりとなっています。


平成17年3月、平成18年3月の卒業生数等が不明で十分な分析はできていませんが、今後データの収集に努めたいと思います。
平成19年度は、国公立大学には九大に10人が合格するなど138人が合格し、現役合格率は64.0%に達しましたが、その後は隔年で合格率が増減しています。

加世田高校の国公立大学合格実績   (  )は過年度卒業生 【   】は平成14年度高校1在学生数
卒業年 H16年 H17年 H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年
卒業生数   【201】   189 178 160 168 190
国立大学                
鹿児島大   35 38(5) 45(7) 27 24(2) 29(5) 37(6)
九州大   4 3 10(1) 5 4 1(1) 5
神戸大   1 2
広島大   1 1 3(1) 2 6 3 4
熊本大   3 5 5(1) 10 6(2) 4 4
宮崎大   8 5 8 2 7 7 6
京都大   1 1
大阪大   1 2 2 2 1 1
東北大   1 1
一橋大   1
その他   37 34(1) 40(5) 24(3) 33(3) 21(1) 25(2)
小計   92 89(6) 114(15) 73(3) 83(7) 65(7) 82(8)
                 
公立大学                
都留文科大   3 2 3
下関市立大   2 1 1 1 8(1) 10
北九州市立大   4 1 1 8 5 2 2
長崎県立大   2 5 3 2(1) 2 7
熊本県立大   2 5 3 1 1
その他   8 6(1) 15(2) 4 8(1) 10 14(2)
小計   17 14(1) 24(2) 18 19(2) 23(1) 37(2)
合計   109 103(7) 138(17) 91(3) 102(9) 88(8) 119(10)
卒業生数に対する
国公立大学合格者
(現役)の割合
  % % 64.0% 49.4% 58.1% 47.6% 57.4%
卒業生数に対する
国公立大学合格者
(現役・浪人含む)
の割合
  54.2% % 73.0% 51.1% 63.8% 52.4% 62.6%
対策実施     県立高校学力向上
推進総合プラン
県立高校学力向上
推進プロジェクト

10.04.22:20

指宿高校の進学指導実績

進学指導推進校の国公立大学合格実績について掲載します。

2005年度から2007年度まで県立高校学力向上推進総合プランが実施され、2008年度からは県立高校学力向上推進プロジェクトが実施されています。

進学指導推進校13校の国公立大学の合格実績からプロジェクトを評価してみたいと思います。

県立高校学力向上推進総合プラン(2005~2007)における進学指導推進校は、以下のとおりで鹿児島市外の各学区のトップ校が指定されています。

学力向上推進校(8校) 鹿児島西、枕崎、吹上、隼人工業、串良商業、鹿屋農業、垂水、奄美
進学指導推進校(13校) 指宿、加世田、川辺、伊集院、川内、出水、大口、加治木、国分、志布志
鹿屋、種子島、大島

今回は、指宿高校について掲載します。
指宿高校は、県立高校学力向上推進総合プラン等の対象校13校のうちの1校です。

県立高校学力向上推進総合プラン等の効果を図るためには、プラン等が開始された平成17年度以前の平成17年3月卒業以前の高校の合格実績が必要です。

指宿高校のホームページに平成16年3月卒業生以降の合格実績が掲載されており、学力向上対策の評価を行うことができます。

平成16年3月卒業生の実績に比較して、対策前年の平成17年3月卒業生は、卒業生に対する現役合格率、全体合格率とも若干上昇していますが、対策中の平成18年3月卒業生、平成19年3月卒業生と次第に上昇し、
推進プランの3ヶ年を経験した平成20年3月卒業生は、現役合格率、全体合格率とも上昇し、平成16年3月に比較して、約2倍の状況となっています。

平成21年3月卒業生は、平成19年3月並の合格率となっています。
平成22年3月卒業生は、平成21年3月卒業生より全体・現役の合格率が上昇していますが、特に国立大学の合格率が27.3%に上昇しており、平成19年の合格率24.1%を上回っています。
ただし、平成16年度以降連続して九大の合格者を出していましたが、平成22年度は合格者が出ませんでした。

平成23年度は、国立大学の現役合格率、全体の合格率とも大幅に低下しています。

このデータからすると、学力向上対策により、指宿高校においては現役合格率、全体合格率とも高まっており、一定の効果が上がっているものと推定されますが、平成23年度は若干低下傾向になっているのが気になるところです。

指宿高校の国公立大学合格実績     (  )は過年度卒業生
卒業年 H16年 H17年 H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年
卒業生数 229 198 196 187 152 152 139 129
国立大学                
鹿児島大 20(6) 16(2) 13(1) 15 18(2) 22(5) 18(2) 15(3)
九州大 2(1) 2(1) 3 3 1 1 1
神戸大 1 1(1)
広島大 1 1 1(1) 1
熊本大 2 2 2 2 1 1 1
宮崎大 2(1) 4 3 2 1(1) 5 2(1)
その他 12(1) 18 8(1) 22 14(2) 11 16 6(1)
小計 39(9) 37(3) 31(2) 46(1) 37(4) 38(7) 40(2) 25(5)
卒業生数に対する
国立大学合格者
(現役)の割合
13.1% 17.2% 14.8% 24.1% 21.7% 20.3% 27.3% 15.5%
卒業生数に対する
国立大学合格者
(現役・浪人含む)
の割合
17.0% 18.7% 15.8% 24.6% 24.3% 25.0% 28.8% 19.4%
                 
公立大学                
都留文科大 1 3 2 1 1 2
下関市立大 3 2 3 1 4 2 1 1
北九州市立大 1 1 2 2 1 1 4
長崎県立大 2 1 4 2 4 6 3 2
熊本県立大 2 2 2 1 1
その他 4 4 7 5 12 6 3 8
小計 13 11 20 11 24 16 8 16
合計 52(9) 48(3) 51(2) 57(1) 61(4) 54(7) 48(2) 41(5)
卒業生数に対する
国公立大学合格者
(現役)の割合
18.8% 22.7% 25.0% 29.9% 37.5% 30.9% 33.1% 27.9%
卒業生数に対する
国公立大学合格者
(現役・浪人含む)
の割合
22.7% 24.2% 26.0% 30.5% 40.1% 33.6% 34.5% 31.8%
対策実施     県立高校学力
向上推進総合プラン
県立高校学力向上
推進プロジェクト



10.03.07:01

鹿児島県内の高校の進学指導

アエラ(09.4.27)の記事に関する掲載の続きです。

鹿児島県についも掲載されています。
各都道府県においても大学入試に対するいろんな取り組みを進めています。
受験生の大学進学に対するモチベーションを高めるための取り組みとして、社会や職業との関係を意識させるものが多いようです。

各高校でもいろんな取り組みが行われていますが、より効果的な取り組みとするため、公立高校、私立高校など合同で実施するなど効率的で、取り組みの機会を広げる方法が必要と考えられます。

たとえば、大学のオープンキャンパスへの参加は、東大や京大、その他の大学によっては各高校では人数が少なく、個人レベルでの対応になるところでは、旅行会社と連携し、各高校と合同で実施するなど鹿児島県全体のレベルアップを図る取り組みも必要かと考えます。


(アエラの鹿児島県に関する記事)
 ラ・サール高校という全国屈指の進学校がありながら、4年制大学進学率は全国で最も低い鹿児島県。高卒後の就職率は全国平均を大きく上回る。

 就職率100%を誇る鹿児島工業高校では、7割の生徒が県外に就職する。担当者は、
「大学に進学できる学力があっても、トップ層は進学しない。推薦枠を使って、大手企業に就職する。大学を出たからといって、就職が保証されるわけではありませんから」

 県内屈指の進学校、鶴丸高校では、01年から県内のOBとの交流、04年からは県外のOBとの交流を図る修学旅行も兼ねた「GO鶴(かく)セミナー」に取り組んでいる。小倉寛恒校長はいう。
「今の若者たちは社会に働きかける力が弱い。何のために学び、それをどう社会に生かしていくかのか。一定のレベル以上を目指すのには、学びのインセンティブを考える必要がある」
雇用問題、進学モチベーション・・・・・・東北や九州など進学率が低い県では同じ課題を抱えている。それは本来進学熱が高いはずの高偏差値校でも、程度の差はあれ変わらない。

 鹿児島市中心街から車で約1時間半走った先に、南薩摩地方の進学校、加世田高校(南さつま市)がある。
午前7時40分から8時15分までの0時間目に始まり、3年生になると、最大8時間目まで授業がある。終わりのチャイムが鳴るのは午後5時50分だ。
  生徒に補習という形で学力フォローをするだけではなく、08年度からは学力推進委員となった教師を中心に教材研究や研修をする「県立高校学力向上推進プロジェクト」を県教委が始めた。生徒が目指したいと思った進路を実現できる「教師力」に力を入れる。

10.02.21:13

ラ・サール高校の進学指導

引き続き、河合塾の情報誌(2009年4月)からです。

ラ・サール高校

学年の枠を超えた交流が人間形成の上で大きな意義を持つ

 1950年、カトリックの教育修道会「ラ・サール会」によって設立された。中学は4クラス、高校は6クラス。高校1年次は、内部進学者と高校からの入学者は別クラス編成で、2年次の文理分けの時点で混合クラスになる。長らく文系2クラス、理系4クラスで推移しているが、クラス数は同じでも、人数で見ると大幅な変化が生じている。

 「20年前であれば文系志望者が120名ほどいましたが、今年度は約60名と半減しています。理系の中でも、医学部志望者が圧倒的に多く、それが近年の合格実績にも反映されています。また、東京大学の現役受験者数は、毎年百数十名いましたが、近年は半分近くにまで減少しています。一方で、国公立大学医学部の合格者数は、2007年度が全国でトップ、2008年度も3位になっています」(麻生善三先生)

 医学部志望者の増加に伴って、2007年度から、面接対策にも力が注がれている。3年次の10月に、医学部志望者を集めて、面接に関するレクチャーを約1時間実施。入試直前には模擬面接も行われる。
「実際に模擬面接を行ってみると、医師になるためには当然の常識と思われることが抜けている生徒も見られます。けれども、本番直前では、問題点を十分にフォローできません。今後はもっと早い時期に模擬面接を実施して、不足部分をカバーするきっかけを与える必要性を痛感しています」(麻生先生)

 そのほか、同校の教育の特色になっているのが、多くの生徒が寮生活を送ることだ。「学年の枠を超えた交流が、人間形成の上で大きな意義を持っています。中学寮は8人部屋(高校寮は個室)で、各学年2~3人ずつがこの部屋で一緒に生活します。その中で、風呂の入り方などの生活のルールや、授業でのノートの取り方、予習復習の方法、寮の自習で各教科に費やす時間配分などの勉強方法についても、先輩が教える雰囲気が醸成されています。いわばラ・サールの流儀がそうやって継承されているわけです。また、中学寮には自習室があり、1日3時間、義務自習の時間が設けられています。30分の休憩をはさんで、前後90分ずつ、私語や読書は一切禁止で、集中して勉強に取り組んでいます。高校寮では生徒がそれぞれの部屋で自主的に学習します。なお、寮は高校2年生までで、3年生からは指定下宿に移ります。消灯時間が中学寮は11時、高校寮は12時と決められているので、それ以降も勉強したい生徒に配慮しています」(麻生先生)

 また、近年、同校では進路意識を高めるさまざまな試みが導入されている。例えば、2年前からスタートしたのが東京大学主催「高校生のための金曜特別講座」の中継だ。東京大学の駒場キャンパスの公開講座を、インターネットでつないでリアルタイムで受講できるようにしている(同校のほか、約30高校が同時に受講)。双方向型で、質疑応答も可能で、高度な学問に触れる機会になっている。

 2005年度からは「東大見学会」も実施されている。夏休みに、1・2年生の希望者を引率して、OB教員の研究室を訪問し、夜はOB学生との交歓会も行われる。寮生活を通して、親しい先輩も多いので、活発な交流が展開されている。身近な先輩の話を聞くことで、大学の様子がイメージしやすいメリットがあるという。
 さらに、2008年度から、進学係主催の講演会もスタートした。「医学部入試の現状」などのテーマで、何人かの教員が講師を務め、今年度は4回実施されており、各学年から毎回100 名近い生徒が参加している。

 「このように、本校では、さまざまな進路行事を増やしています。大学で何を学びたいのか、どんな職業
をめざしたいのか、明確な将来イメージを持てない生徒が近年増加しているように感じるからです。今後も、生徒一人ひとりが自分なりの方向性を見定めて、それに向かって学習のモチベーションを高められるような指導を強化していきたいと考えています」
(麻生先生)

10.01.21:03

鶴丸高校の進学指導

引き続き、河合塾の情報誌(2009年4月)からです。

鶴丸高校

先輩の協力を得て実施する進路行事を豊富に設定

 1894年、鹿児島県尋常中学校として創立。旧制第一中学校、第一高等女学校を前身とする伝統校で、鹿児島県で最も古い歴史を有する。1学年は普通科8クラスで、2年次から文理分けが行われる。国公立大志望者がほとんどで、例年高い合格実績を上げている。

 鹿児島県の公立高校は、朝課外や放課後補習などで学習時間を確保するところが多いが、同校の場合は、朝、放課後の補習は一切行われていない。夏休み、冬休みの補習も、例えば、夏休みは1・2年次が7月末まで、3年次が8月初旬までと、他校と比較すると少なめだ。ただし、土曜日は月1~2回、「土曜悠学講座」が開講されている。1日4時限で、1・2年次は3教科、3年次は5教科の講座だ。

 こうした指導体制をとっている理由を、秋元達也先生は、次のように語る。
「学力レベルの高い生徒が多いので、各自の自発的な学びを進めてほしいという期待を持っています。そのため、補習も少なくしています。2年前からは、全教科とも、それまで相応の量を課していた必修課題(いわゆる宿題)を減らす方針も打ち出しました。その結果生まれた余裕を有効に活用して、自分なりの専門的な学習を深める生徒もいます。けれども、その一方で、必修課題が与えられないと、自学自習が進められない生徒も出てきています。中学時代に塾通いをしている生徒が多く、与えられればそれなりに勉強するのですが、自主的に学ぼうとする姿勢が身についていないケースがあるのです。教員の間には、そうした生徒に対しては、ある程度強制的に勉強させることも必要だという意見もあり、今後、検討しなければならない課題だと考えています」

 また、同校の進路指導で注目されるのが、卒業生を活用した進路行事が豊富に設けられていることだ。その1つが「GO鶴セミナー」だ。1年次は地元・鹿児島、2年次は修学旅行を兼ねて東京に出かけ、全生徒が先輩の職場を見学する。仕事の内容だけでなく、受験時代の体験談などを聞く機会にもなっているようで、生徒たちにも好評だ<資料8>。

 1年次の10月には、鹿児島大学に在学中の先輩による「学部・学科説明会」を実施し、文理選択に役立てている。さらに、毎年、3月下旬に、その年に難関大学に現役合格した先輩を招いて、最もホットな「合格体験を聞く会」を開催。難関大学を身近な存在と感じさせ、チャレンジ意欲を高めている。
 3年次の医学部志望者に対しては、鹿児島大学医学部の在学生が、面接のアドバイスも行っている。自分の体験をもとに、実際の面接で聞かれたこと、対応の方法、面接会場に持参した方がいいものなど、具体的な情報を得ることができ、大いに役立っているようだ。

「鹿児島県全体に共通する風土なのかもしれませんが、昔から、卒業生が高校に協力的で、後輩の面倒を見るのは当たり前といった雰囲気があります。例えば、本校の生徒は、国公立大学の2次試験受験のために、全国各地に出向くのですが、そこでは卒業生が待ち受けていて、大学の下見の案内なども引き受けてくださっています。とてもありがたいことであり、今後も受け継いでほしい気質だと感じています」(秋元先生)

<資料8>鶴丸高校「GO鶴セミナー」の体験談(一部抜粋)


●「文化庁の先輩を訪問。その多岐に渡る仕事内容、日本や世界を股にかけたやりがいのある仕事に感動を覚えました。また、進路のこと、高校時代のことについて自分の経験を交えて話していただきました。学部の選択のことや受験勉強での心構えなどを聞いて、これからの志望校・学部の決定などに際して、とても参考になりました」

●「法律事務所の先輩を訪問。特に印象に残ったのが『社会で生きていくためには、仕事に対するやる気と、他人とコミュニケーションをとれることが必要だ』という話だ。相手を説得したり、説明したりする際のコミュニケーション能力がさまざまな場面で必要になってくるということだ。僕たちは、日頃の学校生活でもプレゼンやスピーチの機会が与えられているが、その機会をもっと大切にすべきだと感じた」

●「NHKを訪問。TV番組の出演、生放送の見学、アフレコ挑戦などを体験しました。一番感じたことは、仕事にはいくつもの役割があり、それぞれがそれを全うすることで成り立っているということです。どれか1つが欠けてもよい仕事はできません。それは部活動にも通じるところがあるように感じました」

09.30.08:13

甲南高校の進学指導

引き続き、河合塾の情報誌からです。

甲南高等学校

総合的な学習の時間を活用した「KIプロジェクト」が威力を発揮
 1 9 0 6 年創立の旧制第二中学校、1910年創立の第二高等女学校を前身とする伝統校。1学年は普通科8クラスで、文理分けは2年次から。文系3クラス、理系5クラスと、理系志望者が多い。例年200名以上が国公立大学に進学している。スクール・アイデンティティである「地球規模でものを考えるリーダーの育成」を実践するために、2001年度、総合的な学習の時間を活用した「KI(甲南イノベーション)プロジェクト」を立ち上げている<資料6>。
「地球規模でものを考えるリーダーに求められる資質とは何か。本校では、創造性(課題意識のある生徒)、人間性(人間理解の深い生徒)、表現力(自己表現のできる生徒)が重要だと考えました。KIプロジェクトはこの3つの資質を養成するために必要な教育を逆算して、多様な活動を推進しています」(藤崎恭一先生)

 まず1年次の1学期には、現代社会の諸問題を学ぶ「テーマ学習」が行われる。1学期末には、学んだことに関する「小論文コンクール」を実施。2学期には、4回のディベートが設けられている。「1学期末の小論文は、まだ論理的でない面が多々見られますが、ディベートを経験することで大きく変化します。根拠が不確かなものは説得力が弱いため使えませんし、論理性が高くないと勝てません。曖昧な表現も不利になりますから、表現力も向上します。インターネットや書籍などで情報を収集する作業を通して、捨てる情報と生かす情報の取捨選択能力も自然と身につきます。その上で、3学期に再度、テーマ学習を行い、小論文コンクールを実施すると、見違えるほど論理的な文章に仕上げてきます」(藤崎先生)

 2年次は、テーマ学習を行った後、学部・学科研究に入る。週1回のKIの時間は、それまではクラス単位の活動だが、この時点でクラスを解体し、20 ~ 50 名の進路志望系統別のグループ編成(KIグループ)になる。志望学部が近い生徒同士が集まり活動する中で、お互いに刺激を受け合う効果が期待できる。2学期半ばには、大学教員による出張講義「KIブラッシュアップセミナー」がスタート。この講義や、テーマ学習などで学んだことを参考にして、自分が研究したいテーマを設定して、2年次3学期から3年次1学期にかけて「課題研究」を進める。

 課題研究の発表原稿は5月末までに作成し、まず6~7名の班内で発表会を開催。構成力、話し方など、いくつかの項目が設けられた審査用紙をもとに、生徒同士で相互評価が行われる。次いで、各班から選ばれた代表者が、KI系統グループ内で発表し、最優秀者を決定。さらに、各グループの代表者が1学期の終業式で3年生全員の前で発表し、大賞を選定する。大賞受賞者は、9月の文化祭で後輩や保護者の前で発表することになっている。

 「リーダーとしての資質養成が目的であり、必ずしも入試に直結しているわけではないのですが、志望進路に変化が見られることも事実です。プロジェクト活動を通して、将来学びたいことが明確になり、意欲が高まった結果、難関大学を目指す生徒が着実に増えているのです。生徒にどんどん教え込んで鍛えることが、学力を伸ばす最適な方法だと考える指導体制の時期もありましたが、より効果的なのは、自分で学ぼうという気持ちを強めることではないかと思います」(藤崎先生)

 もう1つ、特筆しておきたいのは、このプロジェクトがうまく機能するために、教員の負担軽減に配慮されているということだ。テーマ学習、ディベート、課題研究それぞれに、詳細な冊子を作成。例えばディベートなら、進行に関するセリフは全て記載されており、内容に関わる部分だけをリサーチして発言すればいいようになっている<資料7>。これならディベート指導に慣れていない教員でも十分に指導できるし、生徒にとっても、ルールについての理解に時間をとられることなく、学びの中身を深めることに重点が置けるわけだ。

 なお、同校では、このKIプロジェクトと、大学進学に向けた学力強化を、進路指導の2本柱としているが、「KIプロジェクトが、いわば『ビタミン剤』の役割を果たし、大学進学に向けた学力強化にも少なからず好影響を与えているのではないかと思います」と藤崎先生は語る。例えば補習は、始業前に1年次は週5日、3教科で実施。2年次以降は必要に応じて、柔軟に他教科の補習も取り入れている。さらに3年次からは放課後講座、土曜講座も加わる。これらの講座は、自分の志望大学・学部にターゲットを絞った講座が選択できるようになっている。そのため、3年次には強制されて仕方なく補習を受けているという感覚は薄く、積極的に学ぼうという雰囲気が生まれているという。そのほか、日常生活における読書の習慣化を図る「朝の読書」や、各界の第一線で活躍中の卒業生を招いて、ものの見方や考え方、仕事への思いなどを語ってもらう「甲南塾」なども実施されている。

09.29.08:03

鹿児島玉龍高校の進学指導

引き続き、河合塾の情報誌からです。

鹿児島玉龍高校

中高連携、高大連携を図り活発なキャリア教育を推進
1940年創立の鹿児島市立の普通科高校。2006年度に中学校が設置され、併設型公立中高一貫教育校になった。中学は1学年3クラス、高校は6クラスである。「中学段階では、私立の一貫校のような極端なカリキュラムの前倒しは行っていません。基礎基本重視を心がけています。なお、教員は、基本的には中学と高校で別なのですが、中学3年生だけは、中学と高校の教員が相互乗り入れして、授業の一部を担当しています。中学生の学力状況などを事前に把握した上で、スムーズに高校の学習に入れるようにするためです。私も中学の授業を担当しているのですが、かなり進学意識が高く、高い志望を持つ生徒も多いようです。予習・復習の取り組みもしっかりしていますし、図書館の貸し出し数が急増するなど、読書意欲も旺盛です。今年から中高一貫の第一期生が入学してきますが、相応の学力を備えていることが期待できそうです。高校からの入学者とは学力が異なるケースもありうるので、まず、高校1年次では別クラス編成にして、2年次の文理分けの際に混在させる予定です」(坂本昌弥先生)

 同校の大きな特色といえるのが、中高一貫校になったことを契機として、2006年度からスタートした多様なキャリア学習「鹿児島玉龍キャリア教育プロジェクト」だ。「鹿児島大学や九州大学など、学部・学科の多い総合大学と連携し、さまざまな学問分野を本校の日常の教育内容に取り込むことによって、大学・大学院の仕組みを理解することを目的としています。現在の学問体系は、高度化、複雑化、学際化しており、特に最先端科学は、予備知識のない中学生・高校生には理解しにくい面があります。早めに多様な学問分野に触れるチャンスを与えることで、将来の選択肢の幅が広がるはずです」(坂本先生)。例えば、2006年度は、夏休みに高校1・2年生589名、中学生120名が鹿児島大学に集合。延べ28におよぶ連携講座を受講した<資料4 >。90分講義を1講座として、2講座受講できる形だ。生徒へのアンケート調査の結果を見ると、受講前後で意識が大きく変化しており<資料5 >、学問への興味・関心の喚起につながっていることが分かる。

 また、東京大学、九州大学、九州工業大学、熊本大学などの出前講座も実施している。ユニークなのは、各講師に3タイプの講座を連続で担当してもらうように依頼していることだ。中学生用、高校生用、および中学・高校の保護者用の3タイプだ。生徒用は学問の中身や、学部・学科紹介、保護者用の講座は大学の特色や、入試制度の説明などが主体になっている。さらに、中学2年生の3学期には、九州大学に出向いて連携講座を受講。中学3年生の3学期には、東京大学など、首都圏の難関大学の見学と連携講座の受講も行われている。補習の体制も注目される。全学年ともに、7時45分から8時15分まで、問題演習を中心とした朝課外を実施。放課後は、3年次の高校総体以降、3回の「放課後特訓」が行われる。「各回1カ月間、1教科だけに集中して鍛える講座です。苦手教科、あるいは逆にさらに伸ばしたい教科を生徒が選択して、徹底的に学習させています。1カ月あれば、基礎基本から問題演習まで、体系的な指導を行うことができ、着実に成果があがっています」(坂本先生)

<資料4>玉龍高校2006年鹿児島大学連携講座一覧
高校学校対象


文理 対象学部 担当教員 内         容 希望者数
法文学部 皆村 武一 グローバル時代の鹿児島の経済と社会 52
法文学部 竹岡 健一 英語からドイツ語へ 108
教育学部 内田 芳夫 障害児の発達と教育 24
教育学部 伊藤 正 西洋古代史 44
教育学部 岡田 猛 人は、なぜ体育・スポーツを行い、そこから何を得ているか 73
文理 医学部 清水 佐智子 成人看護学 ハンドマッサージでリラックス 145
理学部 新森 修一 情報ネットワーク 22
理学部 根建 心具 宇宙人はいるか? 161
理学部 今井 裕 天文学の世界 12
理学部 橋爪 健郎 自然エネルギーと平和な世界 7
理学部 清原 貞夫 動物の超能力 83
文理 理学部 河野 元治 地球環境に対する新たな視点 5
理学部 今井 裕 天文学の世界 33
理学部 橋爪 健郎 自然エネルギーと平和な世界 31
文理 理学部 河野 元治 地球環境に対する新たな視点 27
農学部 富永 茂人 おいしい果実ができる謎 149
農学部 鈴木 秀作 動物実験と動物モデル 63

<資料5>玉龍高校
連携講座受講前後の生徒の意識の変化
講座内容が将来の進路選択に役立ちそうか
区分 はい いいえ
講座前 61 39
講座後 97

 

09.28.18:01

鹿児島県立高校の学力向上対策

鹿児島県内の公立高校の難関大学合格者数は、昭和50年度に比較して平成22年度は51.2%、平成23年度58.1%となっています。

鹿児島県内の卒業生数は、昭和50年度に対して60%程度となっていることから、卒業生数の比率からみると1.9%~8.8%難関大学合格者数の割合が低下しています。
一方、私立高校の台頭によって、鹿児島県全体の難関大学の合格者数の割合は、昭和50年度に対して71.9%~79.3%まで上昇しており、卒業生数の割合60%より11.9%~19.3%高くなっています。

なお、公立高校の国立大学の合格者数は、昭和50年度の合格者数に対して80%程度となっており、卒業生数の割合からすると20%程度上昇しています。

このため、公立高校の学力向上対策が課題となっています。
鹿児島県の高校教育に関する情報は、各種情報誌に掲載されています。

今回は、過去に掲載した記事を再掲します。

(2009年9月 河合塾情報誌)


先輩から後輩へ継承される学びの姿勢

「郷中教育」の精神
昨年、『篤姫』ブームに沸いた鹿児島県。このNHKの大河ドラマで、江戸から遠く離れた地にありながら、薩摩から数多くの有為な人材が現れ、明治維新をリードした姿が、改めて浮き彫りになった。
その背景には、薩摩藩では「郷中教育」という独特な青少年教育が取り入れられていたことも関係している。郷中教育とは、一定の区域を郷という単位で区切り、そこに住む武士の子弟が自発的な学習組織を編成。身分の上下などに関係なく、先輩が後輩を厳しく鍛える教育制度である。教育内容は心身の鍛練、礼節の重視、儒学や短歌といった教養など、多岐に渡った。
そうした伝統を受け継いで、鹿児島県には人材育成こそが生命線という共通認識が醸成された。教育に極めて熱心な風土であり、その結果、大学合格実績の高い高校が林立。国公立大学に3ケタの合格者を輩出する高校が数多く出現した。

中高連携を活発化させる県の取り組み 
 鹿児島県では現在、県全体としての取り組みが活発化している。学力向上面に関連しては、2005年度から2007年度にかけて、「県立高校学力向上推進総合プラン」が推進された。

 主な取り組みとしては、まず、学力向上推進校8校、進学指導推進校13校が指定された<資料1>。学力向上推進校には専門高校、進学指導推進校には普通科系の高校が指定されており、県全体としての学力の向上を目的としている。指定された高校では、延べ37回の公開授業や、教科研究会などを実施。公開授業は中学教員も参観できるようにするとともに、教科研究会も中学・高校合同で進めるなど、中高連携が進められている。
「県立高校学力向上推進総合プラン」は2007 年度で完了し、2008年度からは「県立高校学力向上推進プロジェクト」がスタートしているが、この理念は継承され、継続指定を受けた進学指導推進校を中心として同様の活動が進行している。
また、進学指導推進校の教員を中心として、県内の指導力に優れた教員96名を「学力向上推進委員」に任命。委員たちには、地域の進路指導のリーダー的役割が期待されている。委員同士でテーマごとに6~7名のグループを編成し、授業方法の工夫や、難関大学の入試問題研究など、さまざまな教科研究が進行している。
 また、県教育委員会では2005年度から、夏休みに「夏トライ!グレード・アップ・ゼミ」を開催している。対象は県内の高校2年生で、鹿児島中央高校を会場として行われる。3日間の公開講座を受講(1日80分授業×3時限)するほか、鹿児島大学のオープンキャンパスにも参加している。「夏トライ!グレード・アップ・ゼミ」の公開講座を担当するのも、学力向上推進委員が中心となっている。指導力向上のために、公開講座を参観する若手教員も約100名にのぼっている。
生徒にとっても、他校の生徒と机を並べて学ぶことはいい刺激になっているようで、「いつもとは違う緊張感があり、貴重な経験になった」「他校生の勉強のやり方を見て、意識が高まった」といった感想が寄せられている。生徒同士が高校の枠を超えて、お互いを高め合うような関係を築くために、50分間の交流会も用意されている。高校2 年生の早い時期から、目的意識、学習意欲を高めることにつながっているようだ。このように、さまざまな成果が期待できることから、このゼミへの参加者は、年々大幅に増加している(2005年度201名→2008年度364名)。

「鹿児島県進学指導ステップアップ研究会」の設立
こうした県全体の取り組みの一方で、高校教員による自主的な動きも出てきている。
「進学における鹿児島県の低迷の長期化を受けて、2006年度末の県内進路指導主任会で『鹿児島をどげんかせんといかん!』という気運が高まりました。教員同士が交流する機会が減り、指導方法のノウハウが伝授されなくなっているのが要因ではないかという意見が、この会で数多く出されました。元来、鹿児島県には、先輩から後輩へと伝承する『郷中教育』の文化が根づいていたはずなのに、いつの間にかそれが喪失しかけていたのです。その反省に立って、2007 年度に、教員有志による『鹿児島県進学指導ステップアップ研究会(鹿進研)』を設立。県全体の教育力を高めるための多様な活動を展開しています」(鹿児島県立甲南高校・藤崎恭一先生)

県内の難関大学志望者が一堂に会する「郷中 ゼミ」
鹿進研の活動で最も注目されるのが「郷中ゼミ」だ。3年次の夏休みに2日間、2年次の冬休みに1日間、公立高校の難関大学志望者が一堂に会して、授業を受講するスタイルだ。L1(文系。東京大学、京都大学、一橋大学志望者対象)、S1(理系。東京大学、京都大学、東京工業大学志望者対象)、L2(文系。旧帝大等志望者対象)、S2(理系。旧帝大等志望者対象)の4コースがある。2008年度の夏休みの郷中ゼミは、離島の高校の生徒も含めて、約20 校300名程度が参加している。
「授業では、難関大学のレベルにあわせた教材を用意し、かなり高度な内容になっています。他校の生徒たちが頑張っている姿に刺激を受けて、本校でも、さらに難関大学を目指す生徒が増えているという手応えを得ています」(鹿児島県立加治木高等学校・北浩憲先生)
また、郷中ゼミの授業には、数多くの教員が参観に訪れている。ほかにも、教員を対象に2種類の研修がある。中堅・若手研修会(キャリアアップ研修会)では、他県から講師を招聘し、講演会や分科会などの多彩なメニューで実施されている。進路主任研修会では、各学校の現状を中心に意見交換し、貴重な情報収集の場となっている。
「そうした場を通して、先輩教員が他校の教員にも積極的に声をかけてくださり、横の連携が強化されています。高校間の垣根を低くして、県全体として優れた指導方法を継承していこうという雰囲気が高まっています」(鹿児島市立鹿児島玉龍高校・坂本昌弥先生)

先輩が後輩を教育する独自の風土が根づく
鹿進研の活動以外でも、先輩が後輩を教育するのが当然という意識は、さまざまな形で見られる。
例えば、後ほど詳述するように、鶴丸高校では、高校の進路行事に卒業生が積極的に協力する姿勢を見せている。国公立大学の受験のために全国各地に出向く後輩の面倒を先輩社会人が見る伝統も堅持されている。
しかも、その風土は公立高校に限ってのことではない。私立高校でも同様だ。
「本校の体育祭では生徒の4分の1近くが応援団に所属します。そこで、先輩に応援団合戦の振り付けなどを指導される中で、自然と親密な縦の関係が築かれています。また、寮生活を通して、先輩が生活面の指導や、勉強のやり方など、本校ならではの流儀を教えるのも伝統になっています。そのため、愛校心の強い卒業生が多く、彼らは後輩の役に立ちたいという思いを持っていますから、東大見学会をはじめとする進路行事にも、積極的に協力してくれます」(ラ・サール高校・麻生善三先生)

そうした先輩、後輩の人間関係が情勢されていることが、鹿児島県の大きな強みといえるだろう。
以上、見えてきた受験風土を踏まえて、鹿児島県の各高校では、どのような進路指導が実施されているのか、具体的に見てみることにしよう。

 

<資料1> 県立高校学力向上推進総合プラン(2005~2007)における推進指定校
学力向上推進校(8校) 鹿児島西、枕崎、吹上、隼人工業、串良商業、鹿屋農業、垂水、奄美
進学指導推進校(13校) 指宿、加世田、川辺、伊集院、川内、出水、大口、加治木、国分、志布志
鹿屋、種子島、大島

 

09.27.18:37

2012年度 第1回 東大即応オープン(2011年8月実施)

2011・2012年度 第1回 東大即応オープン(2010・2011年8月実施)成績優秀者は、各類の合格判定基準A判定の者です。

鹿児島県内高校出身のA判定者は、平成23年度は22人で、平成22年度の16人対して6人増加しています。


鹿児島県内高校出身者(A判定)
平成22年度 平成23年度
順位 得点 氏  名 性別 順位 得点 氏名 性別
                 
文科一類 12 301 KY 74 255 HN
  66 275 TY 101 249 UA
  151 259 MS 133 244 SA
  164 256 MY 147 242 NY
  178 253 SA 180 236 TY
          206 233 NS
                 
文科二類 95 243 KT 65 237 EY
  99 242 HN        
                 
文科三類 4 291 ES 40 241 KS
                 
理科一類 197 238 TM 79 248 NT
  479 211 HK 104 242 AK
  506 210 NM 226 227 HK
          294 221 YK
          314 219 NY
          404 212 NS
          478 208 ST
          592 201 TS
          592 201 KR
          615 200 IM
                 
理科二類 51 245 IA 17 252 YY
  149 221 OK 62 226 KS
  158 220 TY 131 205 KS
  167 219 NN        
  199 214 DT        
                 
理科三類         5 337 HN

09.26.20:51

2012年度 第1回 東大即応オープン(2011年8月実施)

2012年度 第1回 東大即応オープン(2011年8月実施)の合格学力評価基準について掲載します。
これは、あくまで8月時点の学力での評価であって、今後の学力の伸びを想定して基準を定めたものではありません。

8月時点では、高卒者の学力が高い状況ですが、11月の東大模試、入試本番時点では、現役と高卒者の学力レベルはかなり縮まり、逆転するケースが出てきます。

2001年の東京大学新聞が入学者を対象にした「最後に受けた東大模試の判定」を集計した結果を見ると以下のようになっています。
A 41% B 21% C 21% D 12% E 5%

つまり、11月の東大模試がC判定以下の者が入学者に占める割合が38%(現役の場合40%)を占めていることとなり、8月時点のC判定以下の評価は気にすることなく、11月の東大模試の各科目ごとの目標点数の設定と目標点数に達するような勉強方法の検討が重要になってきます。


合格可能性評価
A判定・・・合格可能性80%以上。合格圏到達。
B判定・・・合格可能性60%。合格圏到達直前。
C判定・・・合格可能性40%。要努力圏。
D判定・・・合格可能性20%

  2011・2012年度 第1回 東大即応オープン(2010年8月実施)
年度 定員 配点
基準点 偏差値 基準点 偏差値 基準点 偏差値 基準点
文科一類 2012 401 440 232点以上 63.4 219点以上 60.4 206点以上 57.5 205点以下
2011 401 440 246点以上 64.0 228点以上 60.3 219点以上 58.5 218点以下
文科二類 2012 353 440 230点以上 62.9 216点以上 59.7 201点以上 56.3 200点以下
2011 353 440 241点以上 63.0 224点以上 59.5 206点以上 55.8 205点以下
文科三類 2012 469 440 229点以上 62.7 210点以上 58.4 188点以上 53.4 187点以上
2011 469 440 237点以上 62.1 217点以上 58.1 192点以上 53.0 191点以下
理科一類 2012 1108 440 200点以上 59.9 190点以上 58.0 168点以上 53.8 167点以上
2011 1108 440 207点以上 59.0 198点以上 57.3 176点以上 53.1 175点以下
理科二類 2012 532 440 195点以上 59.0 185点以上 57.0 162点以上 52.6 161点以上
2011 532 440 206点以上 58.8 198点以上 57.3 175点以上 52.9 174点以下
  2012 100 440 286点以上 76.4 253点以上 70.1 230点以上 65.7 229点以上
理科三類 2011 98 440 289点以上 74.5 266点以上 70.2 246点以上 66.4 245点以下

09.25.18:46

2012年度 第1回 東大即応オープン(2011年8月実施)

8月に実施された河合塾の2012年度 第1回 東大即応オープン模試の結果について掲載します。

模試の平均点は、4教科440点満点で文科173.2点(2011年度 177.4点)、理科148.3点(2011年度 159.7点)となっています。
8月時点では、三教科(英語、数学、国語)320点満点で、文系で140点程度(文Ⅰ150点程度)、理系で130点程度(理Ⅲ175点程度)あれば、今後の3教科と社会・理科の伸びで現役での合格の可能性もあります。

また、3教科の得点が文系の120点~140点、理系の110点~130点のグレイゾーンであっても、対策を講じていなかったため点数が低くなったことが要因で、今後伸びが期待できる科目、分野があれば、合格の可能性はあります。


【文 科】
  年度 配点 平均点 標準
偏差
平均偏差値 最高
最低
人数
全体 現役 高卒 全体 現役 高卒 全体 現役 高卒
二次総合 2012 440 173.2 166.5 187.4 44.0 50.0 48.5 53.2 348 22 4353 2948 1405
2011 440 177.4 171.2 189.4 49.1 50.0 48.7 52.4 348 11 4545 2994 1551
三教科 2012 320 127.6 124.5 134.1 31.3 50.0 49.0 52.1 238 7 4353 2948 1405
2011 320 137.3 135.0 141.9 37.4 50.0 49.4 51.2 267 11 4542 2992 1550
英語文系 2012 120 49.7 48.2 52.9 16.3 50.0 49.1 51.9 107 4 4310 2930 1380
2011 120 55.4 53.8 58.3 18.9 50.0 49.2 51.5 112 5 4503 2967 1536
数学文系 2012 80 33.6 32.7 35.4 12.6 50.0 49.3 51.4 80 0 4338 2938 1400
2011 80 26.7 26.7 26.7 15.7 50.0 50.0 50.0 80 0 4516 2972 1544
国語文系 2012 120 45.1 44.1 47.1 10.5 50.0 49.0 51.9 80 2 4340 2941 1399
2011 120 56.2 55.4 57.7 11.2 50.0 49.3 51.3 94 4 4524 2978 1546
日本史 2012 60 26.8 25.2 30.3 9.4 50.0 48.3 53.8 52 0 2467 1692 775
2011 60 19.8 17.9 23.2 8.6 50.0 47.8 54.0 45 0 2533 1654 879
世界史 2012 60 20.4 18.1 25.5 10.3 50.0 47.7 54.9 51 0 3741 2550 1191
2011 60 18.0 15.6 22.9 10.3 50.0 47.7 54.7 52 0 3859 2584 1275
地理 2012 60 23.4 22.0 26.3 7.7 50.0 48.2 53.8 59 0 2393 2550 1191
2011 60 24.4 23.2 26.6 8.3 50.0 48.5 52.6 48 0 2582 1670 912
 

【理 科】
  年度 配点 平均点 標準偏差 平均偏差値 最高点 最低点 人数
全体 現役 高卒 全体 現役 高卒 全体 現役 高卒
二次総合 2012 440 148.3 143.2 159.9 52.1 50.0 49.0 52.2 423 2 6437 4455 1982
2011 440 159.7 155.1 170.2 52.7 50.0 49.1 52.0 412 2 6146 4296 1850
三教科 2012 320 112.9 110.8 117.7 36.8 50.0 49.4 51.3 305 2 6434 4454 1980
2011 320 129.4 127.3 134.3 41.2 50.0 49.5 51.1 294 2 6145 4295 1850
英語理系 2012 120 45.1 44.4 46.7 16.5 50.0 49.6 51.0 119 0 6362 4426 1936
2011 120 51.3 50.3 53.7 18.8 50.0 49.5 51.3 112 0 6080 4265 1815
数学理系 2012 120 39.4 37.8 42.9 19.7 50.0 49.2 51.8 116 0 6401 4434 1967
2011 120 44.0 42.8 46.8 21.4 50.0 49.5 51.3 120 0 6115 4278 1837
国語理系 2012 80 29.3 29.1 29.7 8.8 50.0 49.8 50.5 80 0 6394 4434 1960
2011 80 35.0 34.8 35.4 9.2 50.0 49.7 50.5 76 2 6111 4276 1835
物理 2012 60 20.1 18.1 24.9 11.7 50.0 48.3 54.1 60 0 5713 3990 1723
2011 60 14.6 13.3 17.8 8.5 50.0 48.5 53.8 60 0 5455 3867 1588
化学 2012 60 15.4 14.1 18.5 9.2 50.0 48.7 52.7 59 0 6278 4390 1888
2011 60 15.2 14.1 17.7 8.4 50.0 48.7 53.0 60 0 5998 4236 1762
生物 2012 60 23.6 22.4 25.9 8.7 50.0 48.7 52.7 52 2 664 442 222
2011 60 22.9 21.2 25.6 10.8 50.0 48.4 52.5 56 0 646 402 244
地学 2012 60 15.6 16.1 15.3 10.7 50.0 50.5 49.8 44 0 41 14 27
2011 60 22.2 15.0 24.9 13.9 50.0 44.8 51.9 47 0 30 8 22



09.24.21:21

2011年度 第1回 東大即応オープン(2011年8月)

8月に実施された河合塾の2012年度 第1回 東大即応オープン模試が、9月22日に返送されました。

今回の受験者数は、10,790人で昨年の10,691人より99人多くなっています。
この受験者数は、2011年の東大前期日程志願者数9,779人(2010年 9,439人),二次試験受験者8,679人(2010年度 8,669人)を上回る人数であり、現役と高卒者の割合2:1も本試験と同じ割合となっています。

また、昨年は鹿児島県では、ラ・サール高校106人(一昨年150人)、鶴丸高校122人(一昨年同数)が受験しています。

受験者数の出身地区分比率は、2011年度の前期東大合格者の割合に近く、質の面からも東大入試を再現できたと河合塾は評価しています。

2009・2010年度実施 第1回東大即応オープン模試  受験者トップ20校
高校名 2009 2010 高校名 2009 2010
開成 274 265 渋谷教育学園幕張 124 114
西大和学園 184 116 鶴丸 122 122
174 159 愛光 119
麻布 166 150 栄光学園 118 129
聖光学院 158 152 筑波大附属駒場 115 131
ラ・サール 150 106 浅野 105
海城 133 111 桜陰 102 110
駒場東邦 132 164 久留米付設大 101 144
桐蔭学園 132 109 岡崎 100 105
東京学院大学付属 128 126 栄東  99
      巣鴨 115
      土浦第一 102
      日比谷 96


出身地区別比率                                           %
区    分 北海道 東 北 関 東 中部・北陸 近 畿 中四国 九 州 その他
2012度第1回
東大即応オープン模試受験者
1.8 4.0 53.4 13.0 8.6 8.0 9.7 1.5
2011度東大合格者(前期) 1.6 2.6 52.1 13.1 14.3 7.8 8.3 0.2
2011年度第1回
東大即応オープン模試受験者
1.9 4.1 51.5 12.5 10.0 8.2 10.3 1.5
2010年度東大合格者(前期) 1.7 3.1 50.9 14.8 13.3 8.0 7.9 0.3
 

09.23.15:33

進研模試(平成23年7月 高1 記述)

高校入学後最初に実施されるのが、7月に実施される進研模試です。
鶴丸高校の平成20年度以降4カ年間の平均点と偏差値を掲載してみます。

平成22年度は不明ですが、過去3年間では3教科の平均偏差値が1.2.から1.3程度、平成23年度が低下しています。また、3教科とも偏差値が低下しています。
 

鶴丸高校 進研模試(高1 記述式)の平均点・偏差値

高校 年度 対象 時期 平均点 偏差値
3教科合計 国語 数学 英語 3教科 国語 数学 英語
鶴丸 23年度 高1 7月 175.2 53.3 58.6 63.3 65.8 63.9 62.4 65.0
鶴丸 22年度 高1 7月                
鶴丸 21年度 高1 7月 196.3 70.5 59.7 66.1 67.0 64.4 63.6 66.8
鶴丸 20年度 高1 7月 193.3 59.8 57.3 76.2 67.1 65.3 63.4 65.9
                       
全国 23年度 高1 7月 105.2 33.8 35.2 36.1 50.0 50.0 50.0 50.0
全国 22年度 高1 7月                
全国 21年度 高1 7月 117.3 47.5 33.1 36.7 50.0 50.0 50.0 50.0
全国 20年度 高1 7月 115.8 38.6 31.9 45.1 50.0 50.0 50.0 50.0

09.22.07:03

2011/2012 東大入試実戦模試 第1回(8月) 

2011年度 第1回 東大入試実戦模試(2011年8月実施)成績優秀者は、各類の成績上位者です。

鹿児島県内高校出身の成績優秀者について掲載します。成績優秀者は、A判定の中で上位者で、今回は12人で、昨年8月の8人に比較して4人増加しています。

2011/2012東大入試実戦模試(第1回 8月) 
鹿児島県内高校出身者(A判定の上位者)
順位 得点 氏  名 現卒 性別
           
文科一類 14 275 HN
  20 270 TY
  26 262 NY
  62 245 UA 男 
  65 244 TS 男 
   107 234  MK  男 
           
文科二類 45 229 YJ 男 
           
理科一類 66 255 OS 男 
  159 237 YT
           
理科二類 69 227 KS
  91 222 SS
           
 理科三類 5 337 HN
<<< PREV     NEXT >>>