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09.23.06:23

鹿児島県の学力向上対策(甲南高校編その2)

1年次の実施内容を見直し硬直化した進路感を広げる

学校改革の切り札として導入したKIプロジェクトだが、8年が経過し、効果が上がりにくい場面が見られるようになった。
 「今の生徒は、素直でまじめな半面、柔軟性がなくなっていると感じます。高校入学時点で『絶対に薬学部に進む』などと決めてしまい、頑として志望を変えようとしない生徒も少なくありません。小・中学校で受けてきたキャリア教育の成果もありますが、一方で、将来の志望が硬直化し、思い込んだら突き進んでしまう生徒が増えているのも事実です。さまざまな角度から学問や社会を見て、生徒自身が迷いながら、進路を絞り込むための指導の必要性を感じています」(黒木先生)

 KIプロジェクトには、生徒の視野を広げる工夫が随所にある。例えば、2年次の「KIグループ」による課題研究では、志望する学問分野ごとに、クラス横断でグループを編成し学問について探究する。1学年主任の福永幸成(こうせい)先生は、その効果を次のように感じている。

 「同じ学問を追究しても、生徒の興味・関心の違いや情報源によって、別の視点や情報が得られることもあります。さまざまな価値観を持つ友だちと共同作業を進めることによって新しい発見をしたり、視野を広げたりできます。こうした活動を今まで以上に深化させる必要があります」

 1年次の夏休みに卒業生の職場を訪問する「先輩に学ぶ私たちの進路セミナー」も、視野を広げ、深く考えさせるという観点から見直した。この活動は、毎年、約50人の卒業生の協力を得て、生徒が興味ある職業に従事している卒業生に自らアポイントメントを取り、職場を訪問する進路学習だ。職業に対する期待感や進路意識を高めるのが狙いだ。しかし、職場数に限りがあるため、生徒の希望通りにならずに「自分が行きたい職場ではなく、別の所に行かされた」と、かえって意欲が低下してしまう生徒が見られた。

 これではそもそもの狙いは達成できないと考え、09年度は、仕事内容ではなく、先輩がどのように仕事にやりがいを見いだしているのか、社会に貢献しているのかといった、先輩の「生き方」を聞く活動に変更した。
 「これしかないと道を決めてしまったら、もしその道を断たれた時に、自分の人生は何だったのかと、自分自身を否定的にとらえてしまうことになりかねません。たとえうまくいかなくても、それを正面から受け止め肯定できる力、挫折してもはい上がる力は、自立には欠かせない要素です職種の知識を得るためではなく、先輩の生の姿からプライドややりがいを持って働くことの素晴らしさを学び取ってほしいと思います」(福永先生)
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