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09.24.00:09

鹿児島県の学力向上対策(甲南高校編その3)  

ディベートで組織の中の自分の役割に気づかされる

生徒のコミュニケーション能力の低下を感じて、改善した点もある。
 09年度は、例年1年次の秋から行っていたディベートを、入学直後から始めた。まず、ディベート前に、生徒が具体的なイメージを描けるように、前年の3年生のディベートの様子をビデオで見せ、その上で実際に現3年生が行うディベートを見せた。その結果、1年生でも、わずか2回のディベートで例年3学期に行っていたレベルの論戦が展開できるまでに上達したという。

 ディベートは論理的思考力や表現力を鍛える絶好の場だが、それ以上に同校が重視するのは、生徒一人ひとりが自らの役割を自覚し、チームの中で何をすべきかを主体的に考えられるようにすることだ。その意味で、ディベートは生徒を自立に導くきっかけと位置付けている。鞍掛巳千治(くらかけみちはる)校長は、次のように説明する。

 「社会のリーダーとして活躍する人材を育成することが本校の教育目標です。しかし、本当のリーダーとなるためには、自分自身のことだけではなく、周りの人たち、自分が属する組織、社会や国のために役立ちたいと願う奉仕の精神が必要ではないでしょうか。先生に言われなくても、きれいな環境にしようと率先して教室やトイレの掃除をする、駐輪場では他の人の邪魔にならないように自分の自転車を端に寄せる、ということも立派な奉仕の精神ですディベートなどの取り組みを通じて、自分も周りの人も幸せになれる社会にしたいと考えられる生徒を育てることが、我々の仕事です」

 総合学習を統括する上ノ町(うえのまち)友紀先生は、ディベートの成果を次のように話す。
 「教師からの投げ掛けに、単語だけでなく、主語・述語を添えて返答する生徒が増えました。ディベートを繰り返すことによって、大人らしいコミュニケーションや会話に徐々に近づいていることを感じます」
 行事や部活動などに取り組む姿勢にも、ディベートの効果を感じることは多いという。

 「ディベートでは、生徒自身が授業を動かします。そうした経験を積むことによって、行事や生徒会活動などでも、生徒は自分たちで主体的に動くようになります。ディベートを通して、組織の中での自分の役割を、具体的にイメージできるようになるのではないでしょうか。これらの生徒の変化を見ると、高1の1学期という早い時期からディベートを行ったのは、効果的だったと思います」(上ノ町先生)
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