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06.11.14:51
平成24年度の鹿児島県内高校の国公立大学合格実績
近年、少子化が進行する中で、私立高校は生き残りをかけ、国立大学の合格を目指した特進コースを設けるなど魅力ある高校運営に努力しています。
一方、公立高校では、高校再編計画が進行中で、進学校では平成17年度に定員の削減が行われましたが、その3年後の平成20年度に定員削減時に入学した高校生が大学を受験しました。
したがって、浪人生も平成21年度から若干減少したことも想定されます。
したがって、公立高校の場合、定員削減が行われた高校では、平成24年度の合格者数が平成20年度に比較して同等以上であれば大学合格実績は向上したと評価してもいいと思われ、また、平成21年度とは条件がほぼ同等と考えられ、単純に合格者数で比較することが可能と考えられます。
このような中で、鹿児島県の公立・私立高校の勢力図はどのようになっているでしょうか。
学力到達度ゾーン別に大学を区分して、鹿児島市内・外、公立・私立別にして、大学合格実績をマクロ的に見てみます。
今回は、平成19年度~24年度のS3以上の大学合格実績について高校ホームページ、週刊誌で整理してみました。
なお、平成19年度は、高校ホームページから集計しているため、データの補足率は平成20年度~24年度に比較して低いと考えられますが、S3以上大学については補足率は高いと考えています。
ただし、国公立大学医学部の合格者の補足率は平成19年度は若干(数人程度)少ないと想定しています。
大学のランクは、進研模試で使用されている学力到達度ゾーン別を利用しました。
S1・・・東大・京大・国立大学医学部
S2・・・東工大・一橋大・阪大
S3・・・東北・名古屋・神戸・九州(公立大学は九州歯科大、岐阜薬科大学等)
1.S3大学以上の合格者占有率
鹿児島市内の公立高校 54.0%~61.1%
鹿児島市外の公立高校 14.5%~22.1%
公立高校全体 74.9%~78.2%
鹿児島市内の私立高校 13.4%~15.7%
鹿児島市外の私立高校 7.4%~ 9.5%
私立高校全体 21.8%~25.1%
2.S1大学合格者数
鹿児島市内の公立高校 48人~74人
平成19年度から平成22年度は57人~60人でほぼ横這いでしたが、平成23年度は74人と大幅に増加しました。
この要因は、鶴丸高校の東大合格者が大幅に増加したためで、特に浪人生の合格者の増加によるものです。
定員枠の減少による卒業生・浪人生の減少(360人→320人)している一方で、国公立大学医学部の定員枠の拡大により、医学部合格者が増加した結果、平成22年度と平成23年度は同数の38人となっています。
平成24年度は、48人と平成23年度に比較して26人大幅に減少していますが、鶴丸高校の東大合格者数の減少(25人→12人、浪人の合格者が大幅に減少)、国公立大医学部の合格者の減少によるものと思われます。
鹿児島市外の公立高校 3人~13人
増加傾向にありましたが、平成23年度は4人に減少しています。
平成24年度は4人増の8人となっています。
鹿児島市内の私立高校 19人~33人
増加傾向にありましたが、平成23年度は21人に減少しました。
平成24年度は、19人となっています。
鹿児島市外の私立高校 4人~12人
ほぼ横這い傾向となっています。平成23年度は7人でした。
平成24年度は、5人増加し、12人となっています。
①平成24年度のS3以上の大学に今年合格した者は、306人です。
過去6カ年間のS3以上の大学合格者数は、282人~321人となっています。
この数字は、今後、高校入試の分析でも重要となってきます。
②鹿児島市内の公立高校は、平成24年度のS3以上の合格者数は17人減少していますが、甲南高校の九大合格者数の増加はありましたが、鶴丸高校の減少が大きく影響しています。
③上記については、S3以上の上位層は高校の定員枠の減少の影響を受けていないことが考えられる。つまり、定員減は学力下位層に影響を与えると想定される。また、入試時成績下位層がS3以上の大学に合格するケースもあり、これは入学後の1学期で学力が逆転し、それ以降順位が定着するケースも多い。つまり、校内順位の変動はあるものの、学力別の人数の変化は総じて小さいため、高校別の大学合格実績が大きく変化することは少ない。
④鹿児島市外の公立高校が平成20年度減少した要因の一つに、私立高校への流入も影響しているものと思われる。
鹿児島市外の公立・私立の合計は、平成19年度と平成20年度はほぼ同じであるため、公立から私立への流入があったと想定される。
鹿児島市外公立・私立高校 合計 S1 11→8 S2 8→9 S3 65→68
⑤私立高校は、市内・市外とも着実に実績が定着し、全体の合格者の約4分の1を占めています。
⑥平成20年度は鹿児島市内の私立高校のS2以上の実績が増加し定着している一方で、市外の私立高校のS2大が激減しましたが、回復しました。
⑦国公立大学医学部の合格者数が増加しているが、これは募集定員枠の拡大によるところが大きく、平成22年度増加しましたが、平成23年度は減少しました。
平成24年度は、さらに減少しています。これは、鶴丸高校16人、志学館高等部6人の減少が要因となっています。
鹿児島県内高校の国立大学実績(ラサール高校除き)
区 分 |
S1 |
S2 |
S3 |
計 |
S1 |
S2 |
S3 |
計 |
国公立 医学部 |
備 考 |
鹿児島市内公立高校 |
57 |
23 |
80 |
160 |
64.8 60.8 54.3 54.5 69.8 55.2 |
63.9
64.3
65.9
73.0 57.7 59.5 |
49.7 54.0 51.1 61.7 56.4 59.9 |
56.1 57.5 54.0 60.5 61.1 58.5 |
34 24 32 38 38 23 |
九大医学部3 九大医学部2 九大医学部2 九大医学部2 |
鹿児島市外公立高校 |
3 |
3 |
57 |
63 |
3.1 4.1 12.4 9.1 3.8 9.2 |
7.1 21.4 22.0 10.8 15.4 21.4 |
32.4
23.9
28.0
22.2 21.2 22.6 |
20.0 17.5 22.1 16.2 14.3 18.6 |
0
1
9
8 5 3 |
|
鹿児島市内私立高校 |
20 |
5 |
16 |
41 |
22.7 30.9 24.8 30.0 19.8 23.5 |
13.9
14.3
9.8
5.4 23.1 14.3 |
9.9 7.4 11.8 8.0 10.3 9.0 |
14.4 15.6 15.7 15.5 15.6 13.4 |
14
26
25
29 17 15 |
九大医学部1 九大医学部2 九大医学部1 九大医学部1 |
鹿児島市外私立高校 |
8 |
5 |
8 |
21 |
9.1 4.1 8.6 6.4 6.6 13.8 |
13.9
0.0
2.4
10.8 3.8 4.8 |
5.0 14.8 9.6 8.0 12.2 8.5 |
7.4 9.5 8.3 7.8 8.9 9.5 |
5
4
6
7 4 8 |
|
計 |
88 |
36 |
161 |
285 |
100 100 100 100 100
100
|
100
100
100
100 100 100 |
100
100
100
100 100 100 |
100 100 100 100 100 100 |
53
55
72
82 64 49 |
九大医学部1 九大医学部5 九大医学部2 九大医学部1 九大医学部2 九大医学部3 |
上段から平成19年度、平成20年度、平成21年度、平成22年度、平成23年度、平成24年度
鹿児島市内公立高校は、鶴丸高校が九大医学部に平成20年度3人、平成21年度2人合格しているため、S3から3人、2人減とした。平成23年度は鶴丸高校1人、甲南高校1人が合格しているため。平成24年度鶴丸高校、鹿児島工業高校から1人九大医学部に合格しているため1人S3大学から減じている。
S3から1人減とした。
鹿児島市内私立高校は、志学館高校が九大医学部に平成19年度1人、平成20年度2人、平成22年度1人、平成24年度1人合格しているため、S3からそれぞれ減じた。
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