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  • 11/24/00:44

05.28.17:20

東京大学入試状況

東京大学の入試状況について掲載します。

科目別目標ライン

「しのぎ」「クリア」「勝負」の三つの目標設定


POINT 3 科目別目標設定術

東大の2次試験では、科目ごとに「どの得点圏まで狙えるか」というラインが違ってくる。この節では、科目ごとの特性やコスト・パフォーマンスを分析しながら、文系・理系に分けて目標ラインの設定を試みる。

科目の特性と「L・M・H」ラインの設定


 科目の特性をよく知ったうえで、教科ごとに最適目標ラインを設
定できれば、受験計画がはるかに効率のいいものとなる。

 基本的には、コスト・パフォーマンスが落ちる手前までは、その科目にどんどん時間を投入するのが賢い。そして、目標ラインを達成したら、サッと“撤退"して、今度は別の科目へ重点を移してい

く。こうして、1科目ずつ目標ラインをクリアしていくのが、理想的な受験戦術なのである。

 この節では、科目ごとの特性に触れながら、文系、理系の順にそれぞれ「しのぎ」、「クリア」、「勝負」の3段階の教科別目標ラインを設定していくことにする。設定にあたっては、経験者、すなわち現役東大生の“実感"と得点開示情報を重視している。

 幸い、私の監修する「緑鐵受験指導ゼミナール」には現在150名近くの東大生講師がいるが、彼らの協力によって模試のデータや2次試験の成績開示データなど、貴重な資料を収集することができる。

さらに、東大型模試(東大即応オープン、東大入試実戦模試など)の結果資料を入手して検討を加えているので、実感的にも統計的にも、かなり的を射た内容になったものと自負している。


1.英語の特性と目標ライン
《特性》頑張れば伸びるが時間と労力が必要
 英語は、もともと「頑張れば伸びる科目」であるが、対策にはそれなりの時間(割と長期にわたる)と労力が必要となる。ただし、いったん仕上がればそう簡単に実力は落ちない特性があるので、早めに仕上げるのが受験戦略上の大きなポイントとなる。
 東大の英語(120点満点)は、英文ジャンルや出題形式などの面での“多彩さ"が特に際立っている。英作文やリスニングの配点も高く、読解系の問題にしても要約や文挿入、下線部和訳、総合問題形式などバラエティに富む(文法・語法問題も出題される)。
 要するに「何でもあり」の出題(19~20ページ参照)で、”`オールラウンドな英語力”"が試されるわけだ。それだけ「頑張れば伸びる」の「頑張れば」の物理的・分量的ハードルが高く、英語が得意な人にとっても分量が多い(読解系の総語数だけでも2000語を超える)のが悩みになりやすい。
 そのため、どうしても素直に「初期レベル」(本格的に受験勉強を始める際の実力)および「残り時間」(入試までに残された時間)の二つの要素によって、「どれだけできるか」、「どのレベル(得点ライン)まで達するか」が決まってくるイメージがある。
 

《文系の目標ライン》60%付近が「クリア」ライン
 以前は難しいと言われた東大の英語も、ここ数年の合格者の声を聞くと、「とにかく75点(62.5%)は目標にできる」という声が多い。形式的、内容的に取っつきやすい問題が増えてきたためで、リスニングや英作文で大量失点をしない限り、50%前後の得点を取ることはそれほど困難ではない。よって、「しのぎ」ラインは50%手前の58点(48.3%)に設定する(文1のみ53.3%の64点とする)。

《理系の目標ライン》理Ⅲを除き60%が「クリア」ライン
 数学や理科にかなりの力を注ぐ必要がある理系の場合、文系並みの目標ラインを設定するのはちょっと酷である。合格最低点が文系ほど高くない現状では、理Ⅰと理Ⅱの「しのぎ」「クリア」「勝負」の各ラインは、文Ⅰ・文Ⅱのそれよりも数%程度低めに設定するのが妥当な線だ。Mラインの60%(72点〉は合格者の平均点に近い値で、まずはこのあたりを目標にしたい。
 理Ⅲは目標最低点が300点近くになるため、配点の高い英語での大量失点は致命傷となる。いくら英語が苦手でも、55%(66点)は確保できないと厳しい。「クリア」ラインと「勝負」ラインは、文Ⅰと同等の目標得点とする(Mが78点、Hが96点)。


図1 科類別・英語の目標ライン                   (配点120点)
            M-     M+    
文Ⅰ       64     72   78   84     96
               
          M-     M+      
文Ⅱ   58       68   75   82     92  
               
          M-     M+      
文Ⅲ   58       68   75   82     92  
      50%           65%         80%
        M-     M+        
理Ⅰ 54       66   72   78     90    
               
        M-     M+        
理Ⅱ 54       66   72   78     90    
               
            M-     M+    
理Ⅲ         66   72   78   84     96

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