11.23.18:21
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09.13.07:09
甲南高校の進学指導
甲南高等学校
総合的な学習の時間を活用した「KIプロジェクト」が威力を発揮
1 9 0 6 年創立の旧制第二中学校、1910年創立の第二高等女学校を前身とする伝統校。1学年は普通科8クラスで、文理分けは2年次から。文系3クラス、理系5クラスと、理系志望者が多い。例年200名以上が国公立大学に進学している。スクール・アイデンティティである「地球規模でものを考えるリーダーの育成」を実践するために、2001年度、総合的な学習の時間を活用した「KI(甲南イノベーション)プロジェクト」を立ち上げている<資料6>。
「地球規模でものを考えるリーダーに求められる資質とは何か。本校では、創造性(課題意識のある生徒)、人間性(人間理解の深い生徒)、表現力(自己表現のできる生徒)が重要だと考えました。KIプロジェクトはこの3つの資質を養成するために必要な教育を逆算して、多様な活動を推進しています」(藤崎恭一先生)
まず1年次の1学期には、現代社会の諸問題を学ぶ「テーマ学習」が行われる。1学期末には、学んだことに関する「小論文コンクール」を実施。2学期には、4回のディベートが設けられている。「1学期末の小論文は、まだ論理的でない面が多々見られますが、ディベートを経験することで大きく変化します。根拠が不確かなものは説得力が弱いため使えませんし、論理性が高くないと勝てません。曖昧な表現も不利になりますから、表現力も向上します。インターネットや書籍などで情報を収集する作業を通して、捨てる情報と生かす情報の取捨選択能力も自然と身につきます。その上で、3学期に再度、テーマ学習を行い、小論文コンクールを実施すると、見違えるほど論理的な文章に仕上げてきます」(藤崎先生)
2年次は、テーマ学習を行った後、学部・学科研究に入る。週1回のKIの時間は、それまではクラス単位の活動だが、この時点でクラスを解体し、20 ~ 50 名の進路志望系統別のグループ編成(KIグループ)になる。志望学部が近い生徒同士が集まり活動する中で、お互いに刺激を受け合う効果が期待できる。2学期半ばには、大学教員による出張講義「KIブラッシュアップセミナー」がスタート。この講義や、テーマ学習などで学んだことを参考にして、自分が研究したいテーマを設定して、2年次3学期から3年次1学期にかけて「課題研究」を進める。
課題研究の発表原稿は5月末までに作成し、まず6~7名の班内で発表会を開催。構成力、話し方など、いくつかの項目が設けられた審査用紙をもとに、生徒同士で相互評価が行われる。次いで、各班から選ばれた代表者が、KI系統グループ内で発表し、最優秀者を決定。さらに、各グループの代表者が1学期の終業式で3年生全員の前で発表し、大賞を選定する。大賞受賞者は、9月の文化祭で後輩や保護者の前で発表することになっている。
「リーダーとしての資質養成が目的であり、必ずしも入試に直結しているわけではないのですが、志望進路に変化が見られることも事実です。プロジェクト活動を通して、将来学びたいことが明確になり、意欲が高まった結果、難関大学を目指す生徒が着実に増えているのです。生徒にどんどん教え込んで鍛えることが、学力を伸ばす最適な方法だと考える指導体制の時期もありましたが、より効果的なのは、自分で学ぼうという気持ちを強めることではないかと思います」(藤崎先生)
もう1つ、特筆しておきたいのは、このプロジェクトがうまく機能するために、教員の負担軽減に配慮されているということだ。テーマ学習、ディベート、課題研究それぞれに、詳細な冊子を作成。例えばディベートなら、進行に関するセリフは全て記載されており、内容に関わる部分だけをリサーチして発言すればいいようになっている<資料7>。これならディベート指導に慣れていない教員でも十分に指導できるし、生徒にとっても、ルールについての理解に時間をとられることなく、学びの中身を深めることに重点が置けるわけだ。
なお、同校では、このKIプロジェクトと、大学進学に向けた学力強化を、進路指導の2本柱としているが、「KIプロジェクトが、いわば『ビタミン剤』の役割を果たし、大学進学に向けた学力強化にも少なからず好影響を与えているのではないかと思います」と藤崎先生は語る。例えば補習は、始業前に1年次は週5日、3教科で実施。2年次以降は必要に応じて、柔軟に他教科の補習も取り入れている。さらに3年次からは放課後講座、土曜講座も加わる。これらの講座は、自分の志望大学・学部にターゲットを絞った講座が選択できるようになっている。そのため、3年次には強制されて仕方なく補習を受けているという感覚は薄く、積極的に学ぼうという雰囲気が生まれているという。そのほか、日常生活における読書の習慣化を図る「朝の読書」や、各界の第一線で活躍中の卒業生を招いて、ものの見方や考え方、仕事への思いなどを語ってもらう「甲南塾」なども実施されている。
09.12.00:06
鹿児島玉龍高校の進学指導
鹿児島玉龍高校
中高連携、高大連携を図り活発なキャリア教育を推進
1940年創立の鹿児島市立の普通科高校。2006年度に中学校が設置され、併設型公立中高一貫教育校になった。中学は1学年3クラス、高校は6クラスである。「中学段階では、私立の一貫校のような極端なカリキュラムの前倒しは行っていません。基礎基本重視を心がけています。なお、教員は、基本的には中学と高校で別なのですが、中学3年生だけは、中学と高校の教員が相互乗り入れして、授業の一部を担当しています。中学生の学力状況などを事前に把握した上で、スムーズに高校の学習に入れるようにするためです。私も中学の授業を担当しているのですが、かなり進学意識が高く、高い志望を持つ生徒も多いようです。予習・復習の取り組みもしっかりしていますし、図書館の貸し出し数が急増するなど、読書意欲も旺盛です。今年から中高一貫の第一期生が入学してきますが、相応の学力を備えていることが期待できそうです。高校からの入学者とは学力が異なるケースもありうるので、まず、高校1年次では別クラス編成にして、2年次の文理分けの際に混在させる予定です」(坂本昌弥先生)
同校の大きな特色といえるのが、中高一貫校になったことを契機として、2006年度からスタートした多様なキャリア学習「鹿児島玉龍キャリア教育プロジェクト」だ。「鹿児島大学や九州大学など、学部・学科の多い総合大学と連携し、さまざまな学問分野を本校の日常の教育内容に取り込むことによって、大学・大学院の仕組みを理解することを目的としています。現在の学問体系は、高度化、複雑化、学際化しており、特に最先端科学は、予備知識のない中学生・高校生には理解しにくい面があります。早めに多様な学問分野に触れるチャンスを与えることで、将来の選択肢の幅が広がるはずです」(坂本先生)。例えば、2006年度は、夏休みに高校1・2年生589名、中学生120名が鹿児島大学に集合。延べ28におよぶ連携講座を受講した<資料4 >。90分講義を1講座として、2講座受講できる形だ。生徒へのアンケート調査の結果を見ると、受講前後で意識が大きく変化しており<資料5 >、学問への興味・関心の喚起につながっていることが分かる。
また、東京大学、九州大学、九州工業大学、熊本大学などの出前講座も実施している。ユニークなのは、各講師に3タイプの講座を連続で担当してもらうように依頼していることだ。中学生用、高校生用、および中学・高校の保護者用の3タイプだ。生徒用は学問の中身や、学部・学科紹介、保護者用の講座は大学の特色や、入試制度の説明などが主体になっている。さらに、中学2年生の3学期には、九州大学に出向いて連携講座を受講。中学3年生の3学期には、東京大学など、首都圏の難関大学の見学と連携講座の受講も行われている。補習の体制も注目される。全学年ともに、7時45分から8時15分まで、問題演習を中心とした朝課外を実施。放課後は、3年次の高校総体以降、3回の「放課後特訓」が行われる。「各回1カ月間、1教科だけに集中して鍛える講座です。苦手教科、あるいは逆にさらに伸ばしたい教科を生徒が選択して、徹底的に学習させています。1カ月あれば、基礎基本から問題演習まで、体系的な指導を行うことができ、着実に成果があがっています」(坂本先生)
<資料4>玉龍高校2006年鹿児島大学連携講座一覧
高校学校対象
文理 | 対象学部 | 担当教員 | 内 容 | 希望者数 |
文 | 法文学部 | 皆村 武一 | グローバル時代の鹿児島の経済と社会 | 52 |
文 | 法文学部 | 竹岡 健一 | 英語からドイツ語へ | 108 |
文 | 教育学部 | 内田 芳夫 | 障害児の発達と教育 | 24 |
文 | 教育学部 | 伊藤 正 | 西洋古代史 | 44 |
文 | 教育学部 | 岡田 猛 | 人は、なぜ体育・スポーツを行い、そこから何を得ているか | 73 |
文理 | 医学部 | 清水 佐智子 | 成人看護学 ハンドマッサージでリラックス | 145 |
理 | 理学部 | 新森 修一 | 情報ネットワーク | 22 |
理 | 理学部 | 根建 心具 | 宇宙人はいるか? | 161 |
理 | 理学部 | 今井 裕 | 天文学の世界 | 12 |
理 | 理学部 | 橋爪 健郎 | 自然エネルギーと平和な世界 | 7 |
理 | 理学部 | 清原 貞夫 | 動物の超能力 | 83 |
文理 | 理学部 | 河野 元治 | 地球環境に対する新たな視点 | 5 |
理 | 理学部 | 今井 裕 | 天文学の世界 | 33 |
理 | 理学部 | 橋爪 健郎 | 自然エネルギーと平和な世界 | 31 |
文理 | 理学部 | 河野 元治 | 地球環境に対する新たな視点 | 27 |
理 | 農学部 | 富永 茂人 | おいしい果実ができる謎 | 149 |
理 | 農学部 | 鈴木 秀作 | 動物実験と動物モデル | 63 |
<資料5>玉龍高校
連携講座受講前後の生徒の意識の変化
講座内容が将来の進路選択に役立ちそうか
区分 | はい | いいえ |
講座前 | 61 | 39 |
講座後 | 97 | 3 |
09.11.00:12
加世田高校の進学指導
3年次の「放課後学習」に生徒たちが意欲的に取り組む
1912年創立の川辺学区の拠点校。部活動や学校行事が活発で、11月中旬には、全員参加の「35キロ遠行」など、ユニークな行事もある。1学年は普通科5クラスで、文理分けは2年次から。ここ数年、文系2クラス、理系3クラスの構成になっている。2年次からは、文理1クラスずつ習熟度別のクラスも設けている。
国公立志望者が多く、ほとんどがセンター試験で5教科7科目を受験する。全学年とも、7時40 分から8時20分まで朝課外を実施している。1年次は3教科、2年次は3教科を中心に理系は2学期後半から理科が加わる。3年次は5教科。講義形式が主体で、授業の補完的な位置づけだ。問題演習が課されることもある。長期休暇中の補習は、夏休みは1年次が1 5 ~16 日間、2年次が17~ 18 日間、3年次が19 ~ 20 日間実施。冬休みは1・2年次が3~4日間、3年次が6~7日間実施している。1日当たり、1年次は4時限、2年次は5時限、3年次は6時限行われている。クラス単位で補習の時間割
が設定されており、全員が同じ補習を受講する形だ。
また、3年次は高校総体以後、センター試験直前まで、「放課後学習」が行われる。授業が6時限目までの日(週2日)は2コマ(50分+60分)、7時限目までの日(週3日)は1コマ(60分)だ。興味深いのは、この放課後学習は、いわゆる補習ではなく、自学自習の場になっていることだ。「各教科の教員が、問題プリントを作成して配布。各自で解いた上で、自己採点して、復習するスタイルです。問題のレベルは、当初は基礎学力の定着を目標として、次第にセンター試験対策に移行していきます。その日、どの教科の学習を行うかは、事前に計画表が作られており<資料3 >、各教科で年間計画を立てて、着実にステップアップが図れるように工夫しています。クラスごとに教科連絡係が決められており、その生徒が各教科の担当教員のところにプリントを取りに行き、皆に配布して学習をスタートさせるなど、完全に運営を生徒に任せているのですが、それで十分に機能しています。皆、真剣に取り組んでおり、自学自習の姿勢が身についていることは、先輩たちから綿々と受け継がれてきた本校の伝統であり、強みでもあると思います」(稲本眞澄先生)
<資料3>加世田高校 平成20年度 3年生2学期 「放課後学習の計画」
月 | 日 | 曜 | 7限 50分 | 8限 60分 | ||
文系 | 理系 | 文系 | 理系 | |||
9 | 火 | 理科選択 | 理科選択 | 現社 | 化学 | |
10 | 水 | - | - | 国語 | 国語 | |
11 | 木 | 数学 | 数学 | 英語 | 英語 | |
12 | 金 | - | - | 地歴 | 地歴 | |
16 | 火 | 理科選択 | 理科選択 | 現社 | 化学 | |
9 | 17 | 水 | - | - | 国語 | 国語 |
18 | 木 | 数学 | 数学 | 英語 | 英語 | |
19 | 金 | - | - | 地歴 | 地歴 | |
22 | 月 | - | - | 理科選択 | 理科選択 | |
24 | 水 | - | - | 現社 | 化学 | |
25 | 木 | 小論文 | 化学 | 小論文 | 化学 | |
26 | 金 | - | - | 国語 | 国語 | |
29 | 月 | - | - | 数学 | 数学 | |
30 | 火 | 英語 | 英語 | 地歴 | 地歴 |
09.10.06:14
加治木高校の進学指導
加治木高校
初見の問題への耐性を養うために予習の取り組みを強化
1897年開校の姶良・伊佐学区の拠点校。島津第17代当主・島津義弘公の居城跡に建てられた校舎は、古い木立に囲まれ、落ち着いた佇まいを見せている。1 学年は普通科8クラスで、文理分けは2年次から。例年、文系・理系ほぼ半々に分かれる。1年次から選抜クラスを2クラス設けており、2年次からは文系1クラス、理系1クラスが選抜クラスになる。選抜クラスは進度がやや早く、その分、高度な問題演習の機会が多めに設けられている。
同校の最大の特色は、2003年度から、予習を重視した教育が展開されていることだ。「現行の学習指導要領への移行に伴い、生徒の学習意欲や、家庭学習の状況に課題が感じられました。中学まで塾に通っている生徒が多く、それなりに勉強時間は確保しているのですが、塾で与えられたものをこなすことに終始しているように見えたのです。けれども、大学入試に対応するには、教えられた知識だけで問題を解くのではなく、まったく見たことがない問題であっても、自分の力で思考して、切り崩して、解法の糸口を見つけようとする姿勢が要求されます。そうした初めての問題への耐性をつけるには、予習が有効だと考えたのです」(中須康文先生)
予習のやり方を体得させるために、入学直後に2日間、オリエンテーションも行われ、またシラバスの充実も図られている。「英数国に関して、3時限ずつオリエンテーションを実施しています。1時限目は予習の方法、2時限目は授業の受け方、3時限目は復習の方法を、実際に生徒にやらせながら、徹底的に指導しています。つまり、英数国をそれぞれ半日かけて、順次、勉強のやり方を教えていくわけです。また、シラバスも充実させています。『学習内容』『到達目標』などが明示されており<資料2 >、生徒はどの時期までにどんな学習が行われるのか、明確な目標を意識しながら学習を進めることができます。さらに、教員は学年ごとにより細かい進度表を作成。それに従って、毎時間の授業内容の構想を練り、生徒にもどこまで予習する必要があるのか、適切に指示するように心がけています」(北浩憲先生)
生徒が予習をしっかりやるようになったことで、授業の進度が早められるメリットも生まれているという。「例えば数学では、予習が十分でないと、3年次の2学期まで数学Ⅲ・数学Cの教科書を終えることができません。けれども、本校では、予習前提方式に切り換えてから、5 ~ 6月までに教科書を終えることが可能になり、それによって、その後の授業を問題演習中心に転換できるようになりました」(中須先生)
また、補習は、朝課外として、7時25 分から8 時10 分まで行われる(期間は学年によって異なる)。全員参加で、1年次は3教科の授業、2年次以降は必要に応じて理社の授業が加わる。放課後の補習は、1・2年次は実施されていない。文武両道を重んじる校風により、部活動を阻害しないようにするためだ。3年次の6月からは、放課後、クラス単位で45分×2時限の「自習」を行う。同一時間帯に、単元別や、難関大学にターゲットを絞ったものなど、さまざまなタイプの補習も開講されており、希望する生徒は受講可能だ。そのほか、夏休みの補習は、前期が7月末日まで、後期はお盆過ぎから8月28日まで実施される。1・2年次は5時限、3年次は7時限と、平常時並みの時間が用意されている。
資料2 加治木高校 2年生・理系クラス数学の授業計画
自己評価の記入欄(該当するものを選ぶ。) A よくできた B ややできた C あまりできなかった D 全くできなかった
学 期 |
月 | 学習項目(単元) | 学習内容 | 到達目標 | 自己評価 |
一 学 期 |
4 月 |
第5章 指数関数と対数関数 |
指数関数および対数関数について 学習し、関数についての理解を深 め、それらを具体的な事象の考察 に活用できるようにする。 |
指数法則を用いて、指数を 含む計算ができる。 |
A B C D |
対数の性質を用いて、対数 を含む計算ができる。 |
A B C D | ||||
指数・対数関数のグラフが かける。 |
A B C D | ||||
5
月 |
数学B 第1章 平面上のベクトル |
ベクトルについての基本的な概念を 学習し、基本的な図形の性質や関 係をベクトルを用いて表現し、いろい ろな事象の考察に活用できるように する。また空間座標を用いて、図形 の基本的な計量について学習する。 |
ベクトルの和・差・実数倍の 演算ができる。 |
A B C D | |
(1節 ベクトルと その演算) |
内積の計算ができる。 | A B C D | |||
(2節 ベクトルと 平面図形) |
位置ベクトルを用いて分点 その他の計算ができる。 |
A B C D | |||
6
月
|
第2章 空間のベクトル |
直線のベクトル方程式を作 ることができる。 |
A B C D | ||
空間座標を用いて計算がで きる。 |
A B C D | ||||
7 月 |
第3章 数列 | 簡単な数列とその和、および数学的帰 納法について学習し、それらを用いて 事象を数学的に考察し処理できるよう にする。 |
等差・等比数列の一般項、 和が求められる。 |
A B C D | |
階差数列や特殊な数列の 和の計算ができる。 |
A B C D | ||||
夏 季 補 習 |
漸化式の計算や、数学的帰 納法を用いた証明ができる。 |
A B C D |
09.09.00:09
鹿児島県の高校教育
先輩から後輩へ継承される学びの姿勢
「郷中教育」の精神
中高連携を活発化させる県の取り組み
鹿児島県では現在、県全体としての取り組みが活発化している。学力向上面に関連しては、2005年度から2007年度にかけて、「県立高校学力向上推進総合プラン」が推進された。
主な取り組みとしては、まず、学力向上推進校8校、進学指導推進校13校が指定された<資料1>。学力向上推進校には専門高校、進学指導推進校には普通科系の高校が指定されており、県全体としての学力の向上を目的としている。指定された高校では、延べ37回の公開授業や、教科研究会などを実施。公開授業は中学教員も参観できるようにするとともに、教科研究会も中学・高校合同で進めるなど、中高連携が進められている。
「鹿児島県進学指導ステップアップ研究会」の設立
県内の難関大学志望者が一堂に会する「郷中 ゼミ」
先輩が後輩を教育する独自の風土が根づく
<資料1> 県立高校学力向上推進総合プラン(2005~2007)における推進指定校
学力向上推進校(8校) | 鹿児島西、枕崎、吹上、隼人工業、串良商業、鹿屋農業、垂水、奄美 |
進学指導推進校(13校) | 指宿、加世田、川辺、伊集院、川内、出水、大口、加治木、国分、志布志 鹿屋、種子島、大島 |