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07.28.07:08
全国の公立高校の学区制の動き
今回は、全国の公立高校の学区制について、7月28日の読売新聞の記事を掲載します。
鹿児島県も、3年後、学区制を見直しすることとしていますが、全国では急ピッチで学区制を廃止している動きが進んでいます。
学区撤廃20都県に、公立高が私立と生徒争奪…読売調査
公立高校普通科の通学区域(学区)の統廃合が全国で進み、2003年以降20都県が学区を撤廃し、9道府県が統合して学区数を減らしたことが、読売新聞の各教委への聞き取り調査でわかった。
09年には北海道と京都が2度目の学区統合を行い、10年には宮城が撤廃、熊本が統合を予定している。少子化と私立人気の逆風の中、公立高校が生き残りをかけて「住み分け」から「競い合い」へとかじを切っている。
学区制は、教育の機会均等を確保し、高校進学率アップを支える仕組みとして長年機能してきた。進学率が97%を超えて「高校全入」がほぼ実現し、今は生徒や保護者の多様なニーズにどのように応えるかが求められている。しかし、学区制のせいで公立校は選択の幅が狭く、学力の高い生徒らが私立や国立に流れる傾向が進んだ。
こうした中、01年度、教育の個性化や多様化などを目指して地方教育行政法の改正が行われた。学区設置を定めた規定が削除され、都道府県の判断で学区撤廃が可能になった。03年に東京(14学区)と和歌山(9学区)が全国初の学区撤廃に踏み切り、住んでいる都県内の高校ならどこでも受験が可能になった。
学区をなくす流れは広がり、04~07年に2~4県が撤廃、今春には5県が「全県1区」を実現。早期に導入した神奈川、埼玉は、東京と同様、私立との受験生争奪戦が激しく、公共交通網が整っていることが共通点だ。面積の広い自治体では学区統合を採用するケースが目立つ。北海道は05年に55学区を25学区に統合、09年さらに19学区にする。岩手では学区数をほぼ半数に、長野は3分の1にしている。
ただ、学区の統廃合で、私立を巻き込んだ学校間の競争は激化した。東京都では、入試の志願者が定員割れした都立は学区撤廃前の02年は19校だったが、08年には32校になった。高校の序列化や激しい受験戦争が再燃する恐れもあり、こういった問題をどのように防ぐかが課題となっている。
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