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11.23.17:40

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  • 11/23/17:40

01.24.16:55

平成31年度センターリサーチと出願大学

センター試験のセンターリサーチ(河合塾)などは、センター試験の結果と過去の記述式模試の偏差値で、出願を考えている各大学の合格可能性が示されています。
この判定は、過去の大学受験実績から算定されたもので、センター試験と合格者の相関をとって判定しています。
ここで、注意して欲しいのは、C、D判定だからと言って、志望校を簡単に変更する必要はないということです。
二次試験の割合が高い難関大学を含め、二次試験にどの程度の得点を必要とするのか十分に検討する必要があります。
二次試験まで、1か月ありますので、二次試験対策をしっかりとれば逆転の可能性は十分にあります。
また、現役はこれから学力が伸びますので、既卒者を逆転することも可能です。

息子の場合、河合塾のセンターリサーチでは以下のような評価でした。

(現役)
当時は理学部物理学科を目指していたため、京大理学部物理学科を志望校とし、上のレベルの東大理Ⅰの学力を目標に設定し、京大入試への対応も可能と考え、東大の入試問題を中心に勉強していました。
その後、東大入試の勉強をする中で、本人はセンター試験で800点を超えた場合、東大を受けようと考えていたようです。
しかし、センター試験が723点(ヒヤリング除き)だったため、東大は第一次選抜の足切りで不合格となることが想定されたため、出願校の変更を余儀なくされました。

センターリサーチの結果から考えると、九大理学部物理学科もC判定となり、高校との3者面談では九大理学部物理学科に志望変更することにしていました。
しかし、高校受験でも挫折を味わっていることから、本人は九大でいいと言っていましたが、投げやりな感じもあったので、本人の気持ちを考えるとこのまま出願校を変更するとモチベーションが上がらず、合格しても後に後悔が生じると思い、高校の先生とも相談し、合格判定でセンター試験が加味されず、2次試験のみで合否が決まる京大理学部(当時は第一次選抜は630点と固定)に締切間際に出願することとなりました。

このように、出願校の決定までに時間がかかったため、京大入試の勉強は2月5日からの20日間と短くなってしまいました。
この点は、反省点です。

したがって、今頃は出願校を早く決定して、出願手続きを行うべきと考えます。


センターリサーチ   九州大学理学部   C  合格可能性50%

評価成績 成績 配点 評価
センター試験 717.2 400
2次(第3回全統記述模試)偏差値 59.7 750
総合ポイント 57 1150

センターリサーチの2次の判定は、センター試験に最も近い第3回全統記述模試の偏差値を使用しています。
第3回の模試の偏差値は低いため、2次試験の判定評価は低くなっています。
したがって、単純にこの合格可能性評価を鵜呑みにすることなく、しっかり過去の模試の結果等を十分吟味し、2次試験で逆転可能なのか吟味する必要があります。
 
2010年度全統記述模試の偏差値は以下のとおりとなっています。

東京大学理Ⅰ 第1回 64.2 EH  第2回 65.1 E  第3回 61.3 E

2010年度全統記述模試結果

教科 2次配点 第1回 第2回 第3回      備考
英語 200 68.2 66.3 69.4
数学 250 53.5 69.1 53.1
国語 - 68.7 58.9 65.4
物理 125 58.2 66.2 57.8
化学 125 77.8 61.8 59.4
国立理系 700 65.3 64.5 61.0
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01.18.21:48

平成31年度センター入試の前日の過ごし方

今年もセンター試験が近づいて来ました。

例年のことですが、センター試験監督経験者から試験前日の過ごし方が2009年に掲載されていましたので掲載します。


(以下ブログより)
直前でごめんなさい。昨年のセンター試験の試験監督をしながら思いついたのだけど書くのを忘れてました。本当にちょこっとしたエールなので、役に立つかどうかわかりませんが一応ご参考まで。

もう、あきらめよう

いきなりアレですが。今日は1月15日。あさってがセンター試験本番です。はっきりいって、今日と明日を寝ないでがんばっても、センター試験の点数はそれぞれの科目で10点も変わらないでしょう。なので、発想を転換して本番に最高のパフォーマンスで臨むということを考えてはいかがでしょう?

あなたよりも頭の良い人でも、16日の過ごし方を失敗することで17日と18日は調子を崩しているかもしれません。しかし、あなたは、16日の過ごし方を万全にしておくことで、17日と18日に最高にクリアーな頭で臨むことができるのです。結果は歴然!

納得したのであれば、参考書や問題集をしまって、17日と18日に持っていくものをもう一度確認しましょう。持って行く参考書も、新たに覚えるのではなく覚えたことを呼び覚ますということを中心に選びましょう。本番では、あなたがどんなにリラックスしているつもりでも、多分ガチガチに緊張しています。その状態であらたな知識を頭に叩き込むことは難しいです。覚えたことを思い出せるように重要なポイントにポストイットでも張っておいて短時間でパラパラと見返すことができるようにしておきましょう。

前日の夜は張り切って食べ過ぎない、飲みすぎない

「明日に向けて景気付けだ!」などとおっさんのようなことを考えず、むしろ夕食は少なめにしましょう。人間は3日食べないでも死なないのですから、胃がもたれたり、お腹をくだしたりして調子を落とすよりは、本番の朝にガツガツ食べるくらいが良いと思います。

前日は早めに寝る。でも、緊張して眠れないなら無理に寝ない

セオリーとしては十分な眠りをとるべきです。朝は早いですし。そのために、夕方、ちょっと運動するのも良いと思います。15時くらいから2時間ぐらいウォーキングするのも良いのでは?で、ちょっと早めにお風呂に入って、ちょっと早めに夕食食べて、好きな漫画でも読んで、0:00前には寝るのをオススメします。

でも、緊張して寝れないときがあると思います。そのときは、無理に寝るのをやめるのが一番。「寝なきゃいけない」ということでストレス感じてもしょうがないでしょ。諦めましょう。神様はあなたが一睡もせずにセンター試験に臨むことを求めています。思し召しにしたがって、あきらめて、好きな音楽でも携帯やiPodで聞きましょうよ。安住紳一郎の日曜天国ポッドキャスト最高に面白いですよ。2008年の11月30日「上りがつらいか下りがつらいか」がオススメです。

どんな思いで時間を過ごそうと時間は流れてしまうというのが切ないところ。どうせ、寝れないなら楽しい時間を過ごしましょ。

起き抜けに水、その後ラジオ体操&朝シャワー

会場まで行く途中や、試験中にお腹が痛いのを我慢するのが嫌でしたら、朝のお通じはとても重要!起き抜けにコップ一杯の水を飲むと腸が動き出しますので出やすくなります。あわせて、ラジオ体操第一などで血流をUPし、頭をはっきりさせるのがよろしいかと。

シャワーを浴びて、さっぱりすれば「今日はやったるでー!」という気分も高まると思いますのでオススメです。

朝食を食べ過ぎない

またかよ!とお思いでしょうが、やっぱり胃もたれが一番怖いので、朝から「勝負に勝つ」などといってトンカツなど食べないように(胃が常に臨戦体勢な方は除く)。比較的、炭水化物を多めに食べたらいかがかと思います。

服の着脱による温度調整ができるように準備しよう!

寒いので、防寒はもちろんすると思いますが、注意して欲しいのは試験会場が暑すぎる場合にちゃんと上着を脱いで体温を調整できる格好でセンター試験に臨むことです。

試験会場側は、「寒い子がいるとかわいそうだから」「寒いと体調を崩してしまうから」という理由で、比較的温度を高めにして会場を暖めておきます。このため、会場内は思いのほか暖かい可能性があります。特に午後は、むしろ暑くてボーっとしてしまう可能性があります。

「暖房の十分効いた部屋の格好+ちょっと寒い部屋用の上着+外での防寒着」のように3段階の温度調整ができるようにしておきましょう。なお、冷え性な方はカイロや靴下の重ね履き(女性ならばストッキング)などで対応しましょう。

試験会場には十分な余裕を持って到着すること

当たり前ですが、こういう当たり前のことが平常心を保証してくれます。天気予報に注意して、試験会場への移動手段を検討しましょう。

注意すべきは路線バスです。センター試験当日の試験バスはおもいっきり混みます。覚悟するか、早めに行くか、最寄の駅から近いならば歩いてしまうか。とにかく十分対策しましょう。バス待ちのせいで時間ぎりぎりというのも結構よくある光景です。なんなら、タクシーを使っちゃおう。どうせ、3000円以内だし。

マスク、喉ぬーるスプレー、目薬、アメ、飲み物、ティッシュを忘れずに

まんまです。試験会場でいきなり喉が痛み出したり、目が乾燥したり、鼻水がとまらなかったりすることが結構あると思います(少なくとも毎年います)。

かばんにこういう品が用意されているとそれだけで安心できますから、忍ばせておいてはいかがでしょう。

特にアメと飲み物は休み時間にちょっとリラックスするための便利な道具です。好きなアメや飲み物を用意しておいてはいかがでしょうか。

困ったら、すぐに試験会場にいる係員に相談

何か困ったことがあったら、迷う前に係員にすぐに相談しましょう。かっこつけている場合じゃありません。

休み時間はトイレ&リフレッシュに当てる

休み時間に参考書開いて意味あるのは、その日の最初の試験だけ。その後は、もう頭が限界に来ていますので新たなことは覚えられません。

それよりも、頭のリフレッシュに費やしましょう。たとえば以下のものなどいかがでしょう。

  1. 新鮮な空気(可能なら外気に触れましょう)
  2. 首周り、肩周りをよくほぐし、血流を良くしましょう
  3. 糖分&水分(アメをなめましょう)
  4. トイレで生理的欲求を解消。
  5. 一緒にいった友達と「ダメだった!!!!!」と報告しあい、前の試験をさっさと忘れる。

定期的に試験監督に空気の交換をしてもらう

試験会場となる一部の高校や大学では石油ファンヒーターが暖房器具だったりします。また、そうでないところでも、数十人が一つの教室で一生懸命勉強しているせいで、二酸化炭素濃度があがっているような気がします(実際に計ってないので感触ですが)。

2つの試験に1度の割合で、空気の交換をしてもらいましょう。脳が活動するには酸素ブドウ糖が必要です。また、頭が温まると頭の働きが鈍ります。頭寒足熱の状態が良いらしいので、室内の温度もちょっと寒めに保ってもらいましょう(可能ならばの話)

またもや、お昼も食べ過ぎない

食べ過ぎると眠くなります。特に午後の試験は、部屋もあったかく、とても静かなので眠気がピークにくる可能性があります。炭水化物多めにして、軽くとりましょう。小腹が減ったら、休み時間にお菓子を一口なんていかが?

一日目が終わったら、ちゃんと誰かに愚痴を垂れること

一日目が終わったら、多くの人が不本意な結果だったと思います。こういうときに一番よくないのが、次の日にこの不本意な気分を引きずってしまうことです。友達と一緒にいったら、帰り道にちょっと寄り道して、30分間ぐらい愚痴を垂れあいましょう。あるいは、家に帰って家族に愚痴を垂れましょう。ホテル泊の方は、風呂に入ってちょっと独り言を口に出してしまいましょう。

一日目の気分を引きずらないこと!それが重要です。

えっ?二日目の試験は受けない?お願い。そんな悲しいことは言わないで。二日目にがらがらの部屋で試験監督をしていると、理系の先生としてはちょっと悲しくなるのよ。

おわりに

センター試験の準備は16日の午前中までに終えましょう(勉強含む)。午後は、体調を整えるのに使うべきです。運動して、おしゃべりして、楽しくご飯食べて、早めにお風呂入って、さっさと寝ましょう。

みなさまが、17日と18日に最高のパフォーマンスで実力を出し切れることをお祈りいたします。

追伸

受験生以外のみなさまにおかれましては、どうぞ、てんぱっている受験生のみなさまを暖かく見守っていただきますようお願い申し上げます。数十年と齢を経ている我々と違い、彼らにとって18年間という短い人生において、センター試験は結構な比重を持っているのです。

また、受験生の親御さんにおかれましては、無駄なプレッシャーをかけないように全力を尽くしていただけますようお願い申し上げます。あなた方がプレッシャーをかけても、お子さんの頭の回転は1秒たりとも速くなりません。全くの無駄です。熱いお風呂を沸かして、おいしいご飯をつくって、待っていてあげればそれでOKです。

夜、お子様が寝付けなかったとしても、「早く寝ないといけないんだろ?」なんて無粋なことを言わず「大丈夫、センター試験がうまくいっても、うまくいかなくても、お前のことは愛してるよ」とちょっと気障な発言をして、お子様の涙を誘ってください。場合によっては、クールにあしらわれると思いますが、その場合は布団の中で泣いてください。

12.19.05:38

平成31年度東京大学推薦入試第一次選抜状況

東京大学は、平成28年度入試から後期日程の入試を廃止し、推薦入試を導入しています。

12月3日、平成31年度推進入試の第一次選抜合格者が発表されました。

平成31年度は、185名の出願に対して127名が第一次選抜に合格しています。

平成31年度の出願状況が気になるところでしたが、11月12日に東京大学が公表しました結果をみると、過去3年間と同様、以外と出願者数が185名(H30年度 179名)と少ない状況です。
これに対して、第一次選抜の合格者は、過去3年間と同様、以外と出願者数が127名(H30年度 135名)と少ない状況です。


やはり、推薦の条件が厳しいようです。

平成28年度、鹿児島県内の高校の合格者はいません。
平成29年度、甲南高校が1人、鹿児島県内高校初の推薦入試合格者を出しています。
平成30年度、甲南高校は2年連続、ラ・サール高校、池田学園池田高校が各1人が推薦入試合格者を出しています。 

1 出願期間:平成30年11 月1日 ~ 6日

2 出願状況(受領通数) 平成30年11 月12日現在

3 第一次選抜 平成30年12月3日
     
出願者数の上段から 平成31年度
学部・科
募集人員 出願者数
(受領通数)
第一次選考
合格者数
合格者数
法学部                  10人程度      22  
        26  
  25 
 24
  16  
  18  
   25
   24
     
  11
   13 
  14
経済学部                  10人程度      2  
    10     
        14    
       7
        1  
     6    
       6 
   7
       
         4     
      3 
     4
文学部                  10人程度     8  
         18      
   13     
   10
       7 
  10  
   10
   10
    
    5    
     4
     3
教育学部                      5人程度   24  
       11     
   6
      9
 12
       7
         5  
       6

  6
     5
     4
教養学部                      5人程度   23    
          24       
         24      
   17
 11
   12
       5
    11
 
  5
  1
     2
工学部                 30 人程度    48   
       43      
   42     
   47
    42   
  39  
      38  
 34

 16  
     23  
   24
理学部                  10人程度    32  
          24       
   25     
   32
  20
    22  
   21 
    24

   10 
  10   
  11
農学部                  10人程度    11   
     11     
         11      
   12
        8
  11
  11
  12
 
  7
     7 
    9
薬学部                     5人程度       9
       6   
     3      
       4
    4  
     6
        2
   4
 
    3 
       2   
    3
医学部医学科                     3人程度     5
        5 
     8      
       9
     5
     4
       4
       5
   
    2
    2
  2
医学部健康総合科学                     2人程度     1
    1  
      2       
       2   
     1 
       0
       2
  2
    
   0 
  1
  1
             100人程度 185
179
173
173
 127    
135
129
149
   
69
  71  
77

11.25.08:37

平成31年度東京大学推薦入試出願状況

東京大学は、平成28年度入試から後期日程の入試を廃止し、推薦入試を導入します。

平成31年度の出願状況が気になるところでしたが、11月12日に東京大学が公表しました結果をみると、過去2年間と同様、以外と出願者数が185名(H30年度 179名)と少ない状況です。

やはり、推薦の条件が厳しいようです。

平成 29・30・31 年度東京大学推薦入試状況
平成 31年度東京大学推薦入試出願状況をお知らせします。
なお,提出された願書類についてはこから学部ごと資格等の審査を実 施しますので,現時点は大学とて受け取った通数です。
 
平成28年度、鹿児島県内の高校の合格者はいません。
平成29年度、甲南高校が1人、鹿児島県内高校初の推薦入試合格者を出しています。
平成30年度、甲南高校は2年連続、ラ・サール高校、池田学園池田高校が各1人が推薦入試合格者を出しています。 

1 出願期間:平成30年11 月1日 ~ 6日

2 出願状況(受領通数) 平成30年11 月12日現在     
出願者数の上段から 平成31年度
学部・科
募集人員 出願者数
(受領通数)
第一次選考
合格者数
合格者数
法学部                  10人程度      22  
        26  
  25 
 24
   
  18  
   25
   24
     
  11
   13 
  14
経済学部                  10人程度      2  
    10     
        14    
       7
        
     6    
       6 
   7
       
         4     
       3 
      4
文学部                  10人程度     8  
         18      
   13     
   10
     
  10  
   10
   10
      
    5    
     4
     3
教育学部                      5人程度   24  
       11     
   6
      9

       7
         5  
       6

  6
     5
     4
教養学部                      5人程度   23    
          24       
         24      
   17

   12
       5
    11
 
  5
  1
     2
工学部                 30 人程度    48   
       43      
   42     
   47
     
  39  
      38  
 44

 16  
     23  
   24
理学部                  10人程度    32  
          24       
   25     
   32

    22  
   21 
    24

   10 
  10   
  11
農学部                  10人程度    11   
     11     
         11      
   12
    
  11
  11
  12
 
  7
     7 
    9
薬学部                     5人程度       9
       6   
     3      
       4
  
     6
        2
   4
 
    3 
       2   
    3
医学部医学科                     3人程度     5
        5 
     8      
       9
    
     4
        4
      5
   
    2
    2
  2
医学部健康総合科学                     2人程度     1
    1  
      2       
       2   
     
       0
       2
  2
    
   0 
  1
  1
             100人程度 185
179
173
173
    
135
129
149
   
69
  71  
77

09.05.09:28

医学部医学科の男女別合格率②

西日本新聞では、独自に九州にある医学部医学科にアンケート調査を行っています。

男子の合格率を1とした場合の女子の合格率は以下のとおりとなっています。
鹿児島大学医学部医学科は、2016年度に0.52と大幅に合格率がさがっていますが、女子の合格率は若干高めとなっています。(2018年度は、男子が若干高い。)
したがって、女子が不利となっているようことはないようです。

九州大学、熊本大学は、各年度とも、女子の合格率は男子を下回っています。


(西日本新聞 平成30年9月2日)

東京医科大による不正入試問題を受け、西日本新聞は医学部医学科のある九州の10大学を対象に、2013年度~18年度入試の男女別の受験者数や合格者数などについてアンケートを実施した。九州大と熊本大は6年度全てで女子の合格率が男子の合格率を下回っていた一方、残る8大学は年度によってばらつきがあった。10大学とも、東京医科大が認めた不正な得点操作は否定した。

調査は8月中旬から実施。九州の7国立大、3私立大に(1)過去6年度の一般入試や推薦入試の男女別の受験者数と合格者数(2)男女の合格率に差が生じた理由(3)女子受験者の減点や卒業者の子の優遇といった得点操作の有無-を聞いた。

それによると、本年度の一般、推薦など全ての試験の受験者は男子6554人、女子3802人に対し、合格者は男子885人、女子466人。合格率は男子13・5%、女子12・2%となり、男子の合格率を1とすると女子は0・91倍だった。

大学別の合格率を同様に比較すると、九州大と熊本大が6年連続して女子が男子を下回り、それぞれ九州大が0・53~0・9倍、熊本大は0・64~0・94倍で推移。九州大の担当者は「男女の区分なく選抜している。男女別に分析しておらず、理由は把握していない」。熊本大も「得点調整は行っておらず、学力に基づく公平・公正な選抜結果」と回答した。

女子の合格率が最低だったのは16年度の鹿児島大で0・52倍。最高だったのは同年度の産業医大で1・54倍だった。両大学の他の年度をみると、鹿児島大0・94~1・32倍、産業医大0・88~1・35倍と変動があった。鹿児島大は「受験生の質によるものと考える」、産業医大は「公正に試験を実施している」と回答した。一般入試に限ると17年度の佐賀大は0・6倍だが、推薦など全ての試験を加味すると0・91倍だった。

東京医科大が特定の受験生の点数を不正に加算し、女子や3浪以上の合格を抑制する得点操作をしていた問題を受け、文部科学省は医学部医学科を置く全国の国公私立大81校を対象に緊急調査を実施。近く結果を公表する方針。東京医科大も、改めて事実関係や原因を調査するための第三者委員会を設置した。

◇ ◇

「男子優遇?」疑心暗鬼 女子離職の懸念根底に

東京医科大入試で明らかになった不正な得点操作について、九州の10大学は西日本新聞のアンケートで明確に否定した。九州の現役医師らの間で不正への反発が広がる一方で、「入試における男子や卒業者の子の優遇は、暗黙の了解事項だ」という声もくすぶる。背景には女性医師の離職への過度な懸念や、過疎地域の医師確保の問題が浮かぶ。

「入試が公正に行われなければ、受験生の努力は報われない。非常識だ」。30代の女性内科医は憤る。

九州の国立大に現役で合格し、卒業後は内科医になった。「患者の容体によっては夜間も休日も呼び出される」。自らを顧みる余裕もなく働き体調を崩した。それでも「人の役に立ちたい、能力を生かしたいという一心で医師を目指した。自分がもし得点を操作されて不合格になっていたとしたら、絶対に許せない」。

一方、福岡県内の私立大卒の女性医師の場合、東京医科大の不正発覚に驚きはなかったという。「根拠はないが、以前から何らかの得点操作が行われているのでは、と思っていた」

九州10大学アンケートで分かるように、受験者自体は女子より男子の方が多いが、「一般に、男子よりも女子の方が成績は良い」(九州の大学幹部)という声は少なくない。単純な比較はできないが、文部科学省の2017年度学校基本調査によると、全国の社会科学系学部や工学系学部の志願者に対する入学者の割合はいずれも女子が男子を上回ったが、医学部は男子が上だった。

女子の合格を抑制していた理由について、東京医科大の内部調査結果は、結婚や出産を念頭に「女性医師は年齢を重ねるごとに活動が低下する」と指摘した。

医学部専門予備校の代表は、入試が系列病院も含めたグループの“入社試験”も兼ねていると説明。「まともに採点すれば女子の合格者が多くなるが、結婚や出産で離職する可能性が高い女子は働き手として計算できないとして敬遠されてきた」と打ち明ける。

東京医科大のように点数を直接操作しなくても、例えば男子が得意な傾向にある数学、物理の試験を難しくすれば、女子の合格率は自然と下がるという。「科目設定などで男子に優しく、女子に厳しいと評される大学は昔からある」

09.04.22:46

医学部医学科の男女別合格率①

医学部医学科を目指している受験生も多く、東京医科大の不正入試を背景とした文部科学省の緊急調査に関心を持っている方も多いと思われます。

東京医科大の不正入試において、得点操作をして女子の合格者数を抑制していたことが判明してたことから、文部科学省が国公立・私立の各大学に6年間の男女別合格率等の調査を行い、9月3日に公表されました。

以下は、各新聞記事です。

(共同通信 平成30年9月4日) 


医学部医学科を置く全国81大学の78%で、過去6年間の入試における女子の合格率が男子を下回っていたことが4日、文部科学省の緊急調査の速報で判明した。最も顕著だった順天堂大では男子9.16%に対し女子5.50%で、1.67倍の差があった。不正入試が発覚した東京医科大を除き、女子らを不利にする得点操作を行っていたとする回答はなかった。

 全国で見ると、男子11.25%、女子9.55%で、1.18倍の差。男女別内訳の公表はこれまで大学側の判断に任され、全国規模で明らかになったのは初めて。


          
           医学部医学科の過去6年間の男女別合格率


(毎日新聞 平成30年9月4日)

東京医科大が医学部医学科の一般入試で女子や3浪以上の合格を抑制する得点操作をしていた問題で、文部科学省は4日、問題を受けて実施した全国の国公私立大学医学部医学科に対する調査結果を公表した。過去6年を調べたところ、男子の合格率が女子を上回った大学は56.79~71.25%で推移していた。一方、女子の合格を抑制するための得点調整などの不正をしたと回答した大学はなかった。文科省は合格率の男女差が大きい大学について追加調査し、10月中に最終結果をまとめる。

 調査は8月10~24日、医学部医学科がある全国81の大学を対象に実施した。在学生が受けた過去6年の一般・推薦など全種類の入試結果について、合格率の男女比や、差がある場合はその理由を尋ねた。

 2018年入試は、男子が計7万6572人受験し、8812人(合格率12%)が合格。女子は4万8601人のうち4597人(同9%)が合格し、男子の方が高かった。男子が高い大学は57大学あり、全体の70.37%を占めた。他の年は17年=56.79%▽16年71.25%▽15年=64・56%▽14年=68.35%▽13年=69・62%--だった。

 また、18年の受験者の年齢別では、現役が多い18歳以下と19歳の合格率が最も高く、ともに男子15%、女子11%。年齢が上がると合格率が低下する傾向にあり、22歳以上は男子5%、女子4%だった。

 男子や現役生の合格率が高い理由について、各大学は「厳正な試験をした結果」などと説明。東京医大以外の大学は「女子や浪人生の合格を抑制する得点調整はなかった」と回答した。

 6年平均の男女合格率の差が最も大きかったのは順天堂大学で、男子9.2%、女子5.5%。女子を1として格差を数値換算すると男子は1.67になった。格差が大きかったのは昭和大1.54、日本大1.49などで私大が上位を占めた。東京医大は1.29だった。

 女子の合格率が高かったのは弘前大の16.9%で男子12.7%との格差は0.75。岐阜大が0.84、徳島大が0.87と続き、国立大の女子合格率が高い傾向がうかがえた。

 文科省は調査結果について「大学や年によって傾向にばらつきがあり、不自然とは一概に言えない。必要があれば訪問調査などで確認したい」としている。

 東京医大の不正入試問題を巡っては、内部調査委員会が8月、今年と昨年に実施した1次試験で計19人に加点した上で、2次試験で女子と3浪以上の男子の合格を抑制するための得点調整をし、得点調整は遅くとも06年から続けられていたとする調査結果を公表した。



    男子の合格率が女子を上回った大学/2018年の男女別・年齢別の合格率